. ページ1
.
結局私はこの人の胸に飛び込みたくなってしまう
私の半分みたいな人の腕の中には安心感など無いのにどうしようもなく温もりを求めてしまうの
｢ごめんね｣
どれだけ謝っても無意味なことを理解していても私自身が許せなくて言葉にしてしまう
あやすような背中の温もりは一切責めていないのにごめんねと口にしてしまうんだ
｢怖かったね｣
｢ごめんね｣
期待通りの人間になれず私は貴方を置いていく
いっそ突き放して欲しいそんな自己中心的な願いは到底叶わない
｢頑張ったね｣
｢ごめんね｣
｢ゆっくりしていいんだよ｣
潤いを帯びた目は至極穏やかな眼差しで見なきゃよかったと後悔するの
私は貴方を置いていくのだから
｢テヨン ごめんね｣
｢A｣
今になって思うの
私がNCTというグループで与えられた役割は愛おしそうに私を見る貴方の手を掴んでいることだったのだと
果たして私はその手をどれだけ掴んでいただろうか
｢ニューヨークって楽しいだろうね｣
｢きっとステージが恋しくなるよ｣
全てを受け入れてくれる人に私は最後の最後まで甘えてしまう
Aが恋しくなると小さく笑うテヨンを置いていく
SMというK-POP界最上位に君臨する会社が異常なまでに手塩にかけて世に送り出した1/2がコースアウトする
｢先陣を切っていくことが正解だと思ってた｣
｢うん キレキレの特攻隊長｣
｢デビューしてから同じ景色を見ることは少なかったな｣
それでも悠太君やジャニオッパが考えるほど私達の中で決定的な何かが変わったわけではなかったんだ
だからこそ変わらず並んで景色を見ることが正解だったのだと今になって理解するの
｢シラフだと耳が痛くなりそうだから｣
お酒を口実に“飲んでもいい？”と腕からも逃げ出す私は狡いと思うし“1杯だけ頂戴”と笑う人が明日使い物にならなくなるのも大変だ
｢数年振りにお昼まで寝るからスケジュールある人は自分で起きてね｣
｢本当にAって開き直ると凄いよね｣
｢歯ブラシ持ち込む用意周到さだけど泣き疲れたって説明だよ｣
証拠隠滅で空き瓶隠さないとと笑えば“2人だけの秘密”と寝床を荒そうとしているのにどうせ起こしてくれるでしょと幸せそうな顔をされるとは
｢僕を守ってくれてありがとう｣
あぁやっぱり私は最低だ
結局彼に涙を流させてしまうのだから
私のエゴは彼の痛みで彼のエゴは私の悩みだった
それでも私達はこうしてお互いに手を伸ばしてしまう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 490人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nami(プロフ) - しゃんさん» コメントありがとうございます！読み返していただいているとは本当に嬉しい限りです🥺お時間空いてしまっていますが、今後もよろしくお願い致します🙇♀️ (2022年9月19日 19時) (
レス) @page21 id: 4fed6f484c (このIDを非表示/違反報告)
しゃん(プロフ) - 作者様の文章がすごく好きで何回も読み返してます！更新楽しみにしています！暑いのでご自愛ください。 (2022年8月15日 13時) (レス) id: d15e7b2e94 (このIDを非表示/違反報告)
nami(プロフ) - ららさん» コメントありがとうございます！更新遅くて申し訳ありません💦更新ゆっくりですが待っていただけたら嬉しいです🥺 (2022年7月9日 22時) (レス) @page14 id: 4fed6f484c (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - お久しぶりですー！😭お話の更新本当に嬉しいです！ (2022年6月4日 23時) (レス) id: 9f155f9207 (このIDを非表示/違反報告)
nami(プロフ) - めろさん» お久しぶりです😭本当にいつも嬉しいお言葉をいただけて幸せです！こんなに拙い話を楽しみにして下さって感謝しかありません…😇これからも是非よろしくお願い致します🙇♀️ (2022年2月6日 16時) (レス) id: 4fed6f484c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nami | 作成日時：2021年11月14日 0時
