▼欲しいモノ ページ6
「………ナーヴ、ギア」
告げられたソレの名を、繰り返し口にした。
自分がずっと欲していたソレは、突如手の平に重なるように現れた。
全身が固まる。耳から消えないあの言葉の響き。
唇が開閉を繰り返し震える。
Aの心境を予期していたのか悟ったのか、城ヶ崎はニヤリと愉しそうに口角を上げた。
身をかがめて耳元に顔を近づける。
思わず肩をビクつかせるところだった。
微笑を浮かべたままの口からは、吐息混じりに言葉が出される。
あまりの吐息のあまさに、脳の奥が刺激される。
「そうだよ……欲しかったんだろう…?
コレ………」
ナーヴギアを手に取り、Aの膝に乗せ、ソレを撫でる。
「………ッ」
ナーヴギアを撫でるその指は、Aの太ももへするりと滑り込んだ。
「キミの欲しいモノはちゃーんと分かってる………
全て僕があげるよ………」
Aの額に頬を擦り付ける。
今直ぐにでもこの身体ごと突き倒してやりたいが、何故だろう。
まるで催眠状態にでも陥っているかのように、身体が全く動かない。
歯を食いしばり、耐えしのぐ。
たとえこの男が自分にどれほどしがみついてきても、恥曝(さら)しな事を強制的にさせたとしても、自分は何も出来ない。
ただ、ひたすら耐え続けるしかない。
それが、この身体の実情、また、実状だった。
ようやく脚を撫でる手を止め、体勢を立て直す。
「そういえば、和人君からは話されているかい?
彼方(あちら)側の世界で、彼がどんな戦いをしてどんな功績を得て、どんな人と関わり巡り会い、
───今どんな人と一緒に過ごしているのか」
「………ッ!」
城ヶ崎の最後の言葉、やはり聞き捨てならなかった。
この言葉を普通に受けとることが出来るならば、和人という少年は心の通じ合った大切な仲間と過ごしているのだろうと解釈し、
聞き流していた事だろう。
しかし、城ヶ崎はそういう事を言いたいのではなく、
実際に性別、性格、名前、顔まで知っているのか……という事だ。
Aが考える限り、そのお仲間はきっと女だ。
その仲間が女であること。そして彼女は、本当に和人を仲間として見ているのか。
つまり、もし知らぬ間に二人が惹かれあえば……───
──────────────(゜◇゜)
この城ヶ崎、鈴木達央さんでやったらヤバいですね(笑)
・・・・
──
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玉ねぎ(プロフ) - 続きはいつ?? (2月21日 8時) (レス) id: 42fa138aff (このIDを非表示/違反報告)
リンス(プロフ) - 原作のイメージが落ちるので削除してほしい・・・ (2018年11月8日 12時) (レス) id: a9e4616003 (このIDを非表示/違反報告)
てぃらみす@ドラクエX(プロフ) - 面白いですっ!(><。)更新頑張ってくださいね♪ (2015年4月4日 8時) (レス) id: 82ab866247 (このIDを非表示/違反報告)
夜月深紅(プロフ) - 凄く面白いです。更新頑張って下さい(*^_^*) (2015年3月27日 23時) (レス) id: 1607f0a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 面白いです!更新がんばってください! (2015年2月3日 17時) (レス) id: 60875863a5 (このIDを非表示/違反報告)
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