ソードアート・オンライン【桐ヶ谷和人】 (ページ5)

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▼相容れない二人ページ5

「気分はどうだい、A」

病室に入ってきた青年。

少し垂れた穏やかで優しい目、緩く微笑みを浮かべた口元。すらっとした長身。

一見、優男にも見える男性。

だが、Aは知っている。

この男が、どれほど冷徹で卑劣なのかを。

城ケ崎の問いには答えず、彼の姿を冷たい眼差しで見つめ続けた。

私の視線に気づいたらしく、城ケ崎は苦笑いを浮かべた。

「そんな恐い目で見ないでくれよ。
せっかく君の身体を心配して見舞いに来たのに」

城ケ崎の言葉に、すぐさま言い返す。

「あなたに心配されなくとも、私のお見舞いに来てくれる人はいるわ」

フン、と顔をそらしてツンとした態度でそう言った。

だが城ケ崎の口元は緩むことなく微笑を浮かべている。

「和人君かい？確かにあの子は心優しいけど……君を守る人としては、相応しくないと僕は思うけどね」

どこか嫉妬心のこもった言葉を口にした。

城ケ崎は紙袋に入った洋菓子などを小皿に移し、脇に設置された机に置いた。

よく見ると、揃っている洋菓子は全て私が好きだった菓子だ。

好きな食べ物まで知られていたと思うと、悪寒がする。

城ケ崎は窓の外を眺めた。

「それはそうと、私の見舞いなんか来る程暇なのね。仕事はどうしたの。
恐ーい恐ーい闇会社は」

嫌み混じりの言葉をぶつける。

城ケ崎は肩をすくめて踵を返した。

眉根を下げて、Aを幼い子供を見るような目で見つめる。

「……まったく、君はいつになったら僕に優しくしてくれるのかな」

「あなたが死んでくれたら、優しくしてあげなくもないですけど」

溜め息をつく。

とげとげしい口調は、この男以外向けた事はあまり無い。

何かを思い出したように、城ケ崎が肩を揺らし、此方を振り向く。

「そうだ、君に、いいものをあげよう」

「………いいもの、って……？」

期待もせず、だが気になるので問いただした。

一度目を閉じ、誇らしげにソレを口にした。

「───────ナーヴギア、かな」

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更新、遅くなってすみません。

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