キセキの６人目はオネェ系。【第３Ｑ】

１０８話―骨。 ページ25

相田Shift


――桐皇戦当日―体育館――

いよいよやってきた桐皇戦。私ももちろん、皆やっぱり緊張気味で。ピリピリとした空気が流れてきた。

相田「・・・・・。」

会話が無い。無さ過ぎる。お通夜かここは。
いつもなら火神君とA君の下らない言い争いが繰り広げられてるはずなのに、何故か無い。というか、そもそもA君がまだ来てない。

日向「ん？白崎はまだ来てねえのか。」

黒子「はい。」

日向君達も気になったらしく、不思議そうな顔をしている。
清水君に、連絡が来てないか聞こうとした時、


プルルル――。


タイミング良く、A君から電話がかかってきた。少し遅れる、とかの電話かな、と電話を手に取る。

相田「もしもしA君？今どこに…………………………え？」

日向「？どうした監督。」

相田「事故に遭ったって、は？！どういう事よ？！え、なにいま病院？！しかも入院してる！？」

「「「！？」」」

電話に出た途端、A君の口から出てきたのはまさかの入院中という単語。思わず声を上げると、それにつられて皆集まってきた。

伊月「事故って、白崎がか？」

小金井「それってヤバくね？！今日試合なのに！」

相田「分かった、とりあえずA君は安静にしてて。良い？絶対病院から抜け出してくるとか無茶しないでね。君、意外とそういう事するタイプでしょ。
桐皇戦は私達に任せなさい。」






AShift


――病院――

『やってしまった………………。』

大きな溜め息をつき、ベッドに倒れ込む。

『なんでこんな時期に……。』

リコちゃんへ電話をかけた後、事の重大さを再認識。なんで今なのか。思わず自分に突っ込む。

部活が終わって、いつも通り帰っていたら近くにいた人が急に叫び出して。何事だと振り向いた頃には時すでに遅し。こちらへ向かって１台の車が勢い良く突進してきていた。急な事に対応しきれず、そのまま車に撥ね飛ばされ。

不幸中の幸いか、撥ね飛ばされた割に大怪我とまではいかなかった。ただ、暫くは入院しないといけないらしく。

『つくづく駄目ね……アタシって。本当、嫌になっちゃう。』

もう一度大きく溜め息をつく。

『・・・・・。』



さつきちゃんと約束したのに。
大輝とまた試合をしてくれ、って頼まれたのに。
本当、何やってんだアタシ。



なんだが嫌な予感がする。何がそう感じさせているのか、それはさっぱりだけど。





『どうか、勝てますように。』



そう祈るしか出来なかった。

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