58話―高校生。 ページ16
AShift
『相手も同じ高校生。』
ふと口から漏れた言葉。自分で言っておきながら、ハッとした。そしてそれを聞き逃さないリコちゃん。じっとアタシの方に視線を向ける。
ビーーーッ。
ブザーが鳴り、第1Qが終わった。
皆、顔が曇っている。まぁ、今までで1番嫌な始まり方だったもの。無理ないわ。
相田「皆聞いて。」
パン、と手を叩き声を出した。
相田「2年は既に知ってると思うけど、正邦は古武術を使う。
だから、火神君が感じた違和感ってのはソレだと思うの。正直やり辛いでしょ。
でも、逆に火神君の感じた違和感の原因が分かった。それに、ボールが消えたりする訳じゃないわ。
さっきA君が言ってた様に、相手も同じ高校生。
いつも通りやれば通用するわ!」
「「「!!」」」
リコちゃんの言葉を聞き、パッと皆の顔が上がった。
―試合再開―
火神Shift
火神「伊月先輩、ボール回してもらえませんか?もっかい津川とやらせて下さい。」
第2Qのブザーが鳴った。
“相手も同じ高校生”…か。相変わらずのテンションっつーか、肝座ってんな、ってAの方を見る。
伊月「なんか秘策あり?」
火神「アイツより早く、ぶち抜けばいいんだ!です。」
伊月「おぉ……。」
Aが試合に出ない分、俺達のプレーを見てくれてる筈だ。自分自身だと気付かないかもしんねーけど、Aなら客観的に見てくれる。……ファウルを食らうのはまずいけど。
伊月「よしっ、火神!」
火神「!」
開始早々、俺の所へパスが回ってきた。すかさず目の前に現れた津川。
火神「古武術だろうが知るか!バスケはバスケだろ!!」
津川「おぉっ!」
――だから改めて思いました。この試合、絶対に勝ちたいです。
黒子が試合前に言っていた言葉が浮かんだ。
“絶対に勝ちたい”
バスケが嫌いになった事が無い俺には黒子やAの事を全て理解することは出来ない。けど、勝ちたいという事は分かった。
火神「この試合、絶対。」
―観客席―
黄瀬「火神っちのダンクきたー!も〜、遅すぎっスよ誠凛。何点差だと思ってんスか。」
笠松「ふっ。やっと始まったな。」
黄瀬「!ッスね。」
―コート―
火神「黒子。」
黒子「はい。」
火神「お前達がバスケを嫌いになった理由は知らねーけど、勝ちたいってのは俺も同じだ。だから、絶対に勝つぞ。」
黒子「!!」
津川「これからですよ〜楽しくて辛いのは。」
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ヒナ(プロフ) - しゅるさん» コメントへの返信が速すぎて作者驚いてます……そして何度もレスすんません!毎度あざっす! (1月7日 15時) (レス) id: 0c756bceb6 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - ヒナさん» あっ…最高主ここに現る…!!!! (1月7日 15時) (レス) id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - しゅるさん» 毎度コメント有り難うございます🍀これからも荒ぶって行きます(( (1月7日 15時) (レス) id: 0c756bceb6 (このIDを非表示/違反報告)
しゅる(プロフ) - 荒ぶり白崎くん最高美味しい(( (1月7日 13時) (レス) @page50 id: 9269892d89 (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - 三井葵さん» コメント有り難うございます🍀テツ君のキャラが定着してないので作者も怖ってなってます!是非これからも読んで頂けると幸いです✨ (12月1日 17時) (レス) id: 0c756bceb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:日菜 | 作成日時:2023年11月5日 12時