🦁―荒野の反逆者。 ページ37
ストーリーちょっとカットします。
――時は進んで張り込み調査後。
リドルShift
――ハーツラビュル寮―談話室――
張り込み調査の残りはケイト達に頼んで寮に戻った。
「ん？」
ふとテーブルに目をやると、眼鏡をかけてスマホと何かの資料をにらめっこしているAが目に入った。僕にはまだ気付いていないのか、全く資料から目を離さない。
「A。」
『……？あぁ、リドル。お帰りなさい。今、お茶の準備をしますね。』
「あ、いや大丈夫だよ。」
『ですが……』
「君はまだ、何か調べ物をしているんだろう？僕の事は気にしないで。」
『……申し訳ありません…。』
軽く胸に手を当てて頭を下げるA。僕も、声をかけなければ良かったかな。
でも、Aと二人っきりなんて中々無いことだからね…。つい声をかけてしまった。
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――数分後。
Aの向かい側に腰を下ろし、自分で淹れたお茶を飲む。……やっぱりAの淹れるお茶の方が断然美味しいな。
そう思いながら、まだ資料から目を離さないAを見つめていると、
『……よっしゃ…！』
ポツリ、Aが呟いた。
何を言ってるのか不思議に思い、Aをまじまじと見つめる。それに気づいたのか、Aは僕の方に向き直り、満面の笑みで
『転倒事故の犯人、分かりました。』
そう、呟いた。
「犯人、だって？」
Aの発言に思わず目を見開く。どういう事だ…？転倒事故の犯人を見つけたというのか？ますます分からなくなってきた。
『えぇ。ですが、今、ここで皆さんにお伝えしたとしても、信じてはくれないでしょう。なので、証拠が欲しいんです。』
「証拠？」
『はい。明日、僕がわざと犯人の罠にかかるような動きをします。もし、その近くに犯人がいたのなら、何かしら僕は怪我をするでしょう。僕がやられている間に証拠でもなんでも良いので、スマホで撮って下さい。そして、学園長に差し出す。』
「ちょっと待つんだ。」
『？何か不満でも？』
「A、君がわざと怪我をするということは、どういう事か分かっているのかい？」
『えぇ、もちろん。
それに、僕の代わりなんて沢山いるじゃないですか。だから、僕が囮になります。』
「……それは、許可出来ないよ。」
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作者名：日菜 | 作成日時：2022年9月12日 13時
