🍀仕事1個目。 ページ3
『・・・・分かりました。』
及川「……え?」
『マネージャー…します。』
及川「!!!!本当!?マネージャーしてくれる!?」
分かりやすく顔を輝かせた及川さん。
有り難う、と物凄いスピードで体を起こし、手を握ってきた。
マネージャーをする事に渋っていたけど、今思えば何故渋っていたのかすら分からない。
“マネージャーは、ただ仕事をこなすだけで良いんだ。”
“タオルを洗ったり、片付けをしたり、記録を取ったり。”
“何も考えなくて良い。”
“とにかく仕事をこなせば良い。”
何故か頭の中にこの言葉たちが浮かんできた。
『ただ、私は何の経験もないので、仕事をする“だけ”という形でマネージャーをさせて頂きますね。』
及川「……うん!全然OK!」
少し間が空いた。
まぁ、気にすることでもないだろう。
そして、“じゃあ今日の放課後、―――!”と駆け足で3階へ戻っていった。
…………あれ。
及川さん、最後なんて言ってたっけ。
別に良いか、と自分に言い聞かせ、教室に戻った。
――放課後――
「Aちゃん、呼ばれてるよ。」
『え?あ、分かった、有り難う。』
ちょいちょい、とクラスメイトに声をかけられ、入口の方へ向かう。
もしかして及川さんかな、と思ったがそれらしき人物は見当たらない。
すると、明らかに私に用事があります、と言いたげな顔をした男子が。
目の前で鞄を持って立っている。
国見「……今村A、さんだよね。」
『えっ、あっ、そうです。』
少し戸惑い気味な表情で、私の名前を呼んだ彼。
確か、この人も同じ1年だったような。
興味がないから1年の顔と名前を全く把握出来ていなかった。
国見「あ…俺、国見英。」
『国見、君。で、私に何か用ですか?』
尋ねる前に、しっかり自己紹介してくれた国見君。
何となく、悪い人では無さそうだ。
どうでも良い情報だけど。
国見「あれ、及川さんから聞いてない?放課後、俺が呼びに行くってこと。」
『えっ…?』
国見「んー……、まぁ良いや。とりあえず着いてきてもらっても?」
『あ、はい。』
少し会話が噛み合わないまま、廊下に出た。
国見「……なんか、ウチの先輩がごめん。」
『えっ?』
国見「その…しつこかったでしょ。あの人。」
『あー……。』
国見「えっと……及川さん、ずっと部活中も君の事話題にしてた。あの子ならマネージャー頼める、って。」
『そう、なんだ。』
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作者名:日菜 | 作成日時:2023年10月30日 1時