Hooked (ページ36)

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なんとなくケータイを弄る
画面には「山田哲人」という名前が
映し出されている

「なーにしてんの？」

『うわっ』

『なんだ、隆ちゃんか
ビックリさせないでよ』

今は映画の撮影中で
機材トラブルで少し休憩中だ

神木「誰それ？」

『人のケータイ勝手に見ないでよ』

神木「いやいや、見たんじゃなくて
見えたの」

『いや、覗き込んでたじゃん』

神木「んで、誰？」

『高校の先輩』

神木「珍しい、友達作りたがらないのに」

そう言いながら隆ちゃんは
隣にあるイスに座る

『勉強教えてもらって
そっからお礼に連絡先交換したの』

神木「ふーん、自分から？」

『そうだけど』

そう言いながらニヤニヤしていて
その顔は何か言いたげである

『何？』

神木「何も〜？」

『うわ、早くいいなよ』

神木「……いやぁ、好きなのかなぁって」

『……』

思わずため息がでる
有り得ない………
確かに先輩としては良い先輩だと思うけど
隆ちゃんが言ってるのはLikeじゃなくてLoveだ

『有り得ない
ってか、小学生男子？』

神木「つまんなーい」

『悪かったね、つまらなくて』

神木「でもさ、」

まだその話を続けるか、と思いつつ
耳を傾ける

神木「普段、演技と少年マンガしか興味無くて
自分から連絡先交換なんてしない美良ちゃんが
自分から交換しようと考えるくらいには
好感を抱いてるんだね」

『……うるさいなぁ』

その言葉に若干図星だったのは誰にも言えない