Hooked (ページ33)

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先生からもらった付箋には
「2年2組、山田哲人」という
とても簡素な情報と
「やれば出来る！！！」と書かれてあり
何がやれば出来るんだ、と悪態を突きつつ
2年2組に向かう

『あの、山田先輩居ますか？』

出入り口付近にいた人に
山田先輩を呼んで欲しいと言うと
直ぐに呼びに行ってくれた

すると、ある程度生徒が居るからか
教室内は騒つく
まぁ、私と先輩接点無いからな

そう思いつつすぐに先輩がこっちに来てくれた

『一年の名取美良です、急ですみません
数学の原先生から聞いたと思うんですけど……』

山田「は？」

そこまで言うと山田先輩は直ぐに顔を顰めた

『え、どうしました？』

山田「何も聞いてへんけど」

『うわっ、マジか』

『本当に何も聞いてないんですか？？？』

山田「いや、なんも」

思わず溜息をついてしまう

山田「んで、なんやったん？要件」

『私、今回の数学のテスト
赤点の可能性が高いので
原先生に山田に聞きに行け、って言われたんで
来たんですよ』

『大変申し訳ないんですけど
数学教えてもらえませんか？？？』

そう言ってから頭を下げる

週刊誌に「赤点女優名取美良！！」という
タイトルで赤点を取ったのを載せられたらと
思うと本当に気分が悪くなる

山田「別にええけど、」

少し戸惑いつつもその言葉は
確実にOKだと言っている

『やった！ありがとうございます！！』

山田「そんなに嫌なんや、赤点」

『赤点女優って週刊誌に
載るかもしれないですからね』

『それだけは本当に勘弁ですよ
マネージャーに怒られちゃいますし』

山田「取り敢えず
明日の放課後ワーク持ってきて
教えられるところは教えるから」

『うわ、本当にありがとうございます！！』

『今度なんか奢りますね！！』