絶賛錯覚中 (ページ6)

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高校2年になって1週間くらい経った今日

学校の最寄りに着いて電車から降りると見慣れた大きな背中を見つけた

「キムミンギュ、おはよう」

「わ！わ！えっ？」

無造作にいじっていたケータイを落としそうになりそうなほど驚くキムミンギュ

なんだかその様子がおかしくて笑ってしまう

ケータイをしっかりカバンにしまうと

「びっくりさせんなよ、」

ため息まじりに心臓をおさえる仕草をしてみせる

「大げさだよ」

「でも朝こうやって会えんのもいいな～」

あ、１つ紹介し忘れていた

「どうせそれ色んな子に言ってるんでしょ」

キムミンギュは、どうやら勘違いするような胸キュンワードをするっと言ってのけてしまうやつなのだ

「は？俺そんな軽い男じゃないし」

「いっつもそう言うけどさ。まあでもたしかに軽くはないよね、大型犬」

そう言ってキムミンギュをおいて改札を通る

「待てって！一緒に行こうよ！ねえ！」

大型犬がうるさい。朝からうるさい。

しょうがなく改札を出たところで振り返ると

キムミンギュは私が振り向いたことに気がついて、八重歯を惜しげもなく見せる笑顔で笑ってみせた

これも言ってないけど、私はキムミンギュのこの笑顔は本当に魅力的だと思っている