絶賛錯覚中 (ページ18)

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心臓の音が聞こえるんじゃないかと思いながら、平常心を装ってジュンフィさんの前に座る

「今日、ユリさんは？」

少し机の上を片付けながら、チラリと視線を私に投げてきたジュンフィさん

「あ、か、風邪ひいたらしいです」

「そうなの？」

ジュンフィさんが書類をまとめる指をじっと見ていた

「体調のタイミングまで、あの2人は仲良しなんだね」

少し、羨ましい

「そうみたいですね、本当に仲良し、」

その言葉は、私が思った以上に、なぜか悲しそうに口から溢れてしまった

声の変化に気がついたのか、また私をチラリと見るジュンフィさん

でも何も言わず、手をずっと動かし続けているから、私もその指を見ている

だんだん私の中で何かが動く

そうか、ユリとスニョンさんみたいになりたいんだ私、あなたと

でもジュンフィさんにとって私は、たまに来る生徒であって

どうしたら、あの2人みたいになれるんですか、

「Aさん」

いつのまにか机の片付けは終わっていたみたいで、優しく私に呼びかけるジュンフィさん

ゆっくり視線をあげてあなたの目を見ると

もう、そらすことができなかった

ゆっくりジュンフィさんは前かがみになって

口を開く

「どうしてそんな、切なそうな顔、してるの」

私を心も、視線も、離さないように力強く、それでいて優しいジュンフィさんの目を見て

気がついてしまったんだ

ただ仲良くなりたいんじゃなくて、

私はこの人が好きだ

開けていた窓から暖かい風が吹き込み、

カーテンが私の心のように、ふわりと揺れた