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突然のことに思わず目を咄嗟につむる
そうすると彼の動きが止まるのがわかった
『…ちゃんと目、開けてろよ』
低く、耳の奥が溶けるような甘い声で囁く
そっと目を開けると少しさっきより離れた距離にある彼の顔
『…何すると思った?』
そう言ってニヤニヤする彼を見ると、急に恥ずかしくなってくる
『なっ、なにも!やめて、そうやってからかうの』
私はディノちゃんを押しのけて、ドアへと向かった
好きだなんて、嘘なの?
『待てって』
腕を掴まれて、振り向かされる
『なんで泣いてんの…』
『こんなディノちゃん嫌いだよ』
そういうとキッとディノちゃんの目がきつく光る
『そう呼ぶなって言わなかったっけ』
あっと思ったらもう遅くて、背中が壁にぶつかる
ディノちゃんが私の指に自分の指をきつく絡めて、私の顔の横に固定した
『俺はね、こんなに強引で優しくなんかないんだよ。嫌いでもいい、いいから、俺を末っ子のディノとしてじゃなくて、1人のチャンとして見て』
彼の目を見ると寂しく、悲しく光っていた
『もしかして…』
ずっと我慢してたの?
私は知らない間に貴方を傷付けていたの?
『あの私______
ピーンポーン
『チャニ〜、ウジだけど、鍵開けろ』
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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時