30 DINO side ページ30
『おい、なんか言えよ…』
ホテルへの帰り道、バンに揺られながら外の景色を見る
『何したんだよ一体…』
あの後僕は自分のしたことに気付くと、すぐにバンに駆け込んで一言も発さなかった
『まじで…変なことしてないだろ…?』
『ヒョンの言う変なことってどこから?』
自分に戸惑っていてイライラしてるのに、たくさん聞いてくるヒョンが嫌で、少しきつめに言った
『どこからって……』
こんなことを言っていいのかと、ヒョンがミラー越しに目が泳がせているのが見える
『…どいつもこいつも』
ついそんなことを僕はくちばしり、頭をガシガシ掻いた
『おい、チャニ…』
『みんなは俺をなんだと思ってるの?俺だってもう大人なんだよ、いつまでこうやって可愛い末っ子じゃなきゃいけない?』
Aちゃんにも、そう言いたかった
でも傷付けたくなかったし、彼女にとっての俺はこんなに欲が深くて余裕のない俺じゃない
『……今日は早く寝ろ』
マネヒョンはそれ以後何も話さなかった
悔しかった
好きな子に本当の自分を知ってもらうのが怖くて
相手の意識がない時にキスするなんて
俺はどうしようもない馬鹿だ
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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時