27 ページ27
深夜から始まるディノちゃんとの文のやりとり
『こちらこそ会えて良かった!でも、明日もサイン会じゃないの?忙しいでしょ?』
しばらくトーク画面を見ているとディノちゃんがあっという間に返信してくる
『そうだけど、僕が会いたいって言ってるの!』
むすっと頰を膨らませたスタンプまで送られてきて、ディノちゃんの顔が想像できてつい微笑んでしまう
『ありがとう。ディノちゃんが大丈夫なら、会いたいな。どこにする?』
これにはすぐに返信してこなかった
考えてるのかな?
『僕久しぶりに女将さんの料理が食べたい』
え、それって
『こっちまで来るの?多分泊まってるところから結構あるけど…』
またしばらく間があった
『僕がどれくらいAちゃんの街が好きか知らないんだね笑 全然苦じゃないよ、夜遅くなっちゃうかもしれないけど、行くから』
ちょっと強引なディノちゃんを初めて見る
『でも夜遅いとお母さんの料理は食べられないよ?』
今度はすぐに返事が返ってきた
『Aちゃんが鈍感だからもう1回はっきり言うけど、僕が、Aちゃんに、会いたいの。女将さんの料理も、街が好きも口実。だから僕と会って』
ぶわっと頰に熱がこもる
落ち着かせようと胸に手を当てるけど全く落ち着かない
ディノちゃんの強引さは思えばこの日から始まっていたのかもしれない
122人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時