夢の中で (ページ26)

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「はぁ」

サイン会が終わってどっとくる疲れ

あんなに泣くとは思わなかったなぁ

目が赤いからあまり顔をあげないように、帰りの電車に揺られる

ディノちゃんとはそんなに会っていないわけじゃなかったのに

どうしてあんなにも涙が出たんだろう

イヤホンから流れるSEVENTEENの曲

ディノちゃんのパートだけなんだかドキッとする

いやいやいや、待って

ディノちゃんだよ、可愛いマンネの

ファンからしてみたらいつまでも可愛いマンネのディノちゃん

実際に会ってみても、とっても可愛い

私より高い位置から優しく見下ろすディノちゃんの視線

背中に回った筋肉のある腕

そういったイメージと違うディノちゃんの姿を必死に振り払う

違う違う、これはただのファンとしての感情

家の最寄駅に着いたことを知らせるアナウンスが聞こえて、急いで電車から降りる

駅から夜風に当たりながら家へと向かう

そうしていると、段々と考えがすっきりしていって家に着いた頃にはディノちゃんへの謎の感情もすっかり忘れていた、

のに

突然ディノちゃんから連絡が入った

『今日は来てくれてありがとう！明日、夜会えないかな』

私はまたこの謎の感情と戦わなくてはいけないみたいだった