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『こんにちは』
『こんにちは』
久しぶりにディノちゃんを前にして、涙が出そう
『だめ、Aちゃん我慢して。僕だって我慢してるんだよ』
『…うん』
鼻の奥がツーンとするけれど、どうにか笑顔で答える
『来るなら言ってくれればいいのに』
少し声を低くして、サインしながらそういうディノちゃん
『ごめんね、でも忙しそうだったし』
『僕のことはいいの。これからは来る時は気を使わないでちゃんと言って?今日びっくりしたんだからね』
そう言ってまたいつものように頰を膨らませる可愛い彼
言葉が大人っぽいと思ったら次の瞬間これだもん、本当に魅力がいっぱいだ
『これ終わったら、少し時間ないかな。久しぶりに会えたし話そう?』
この首コテンにはめっきり弱い私
『いいよ、会場出ないで待ってればいいかな』
ディノちゃんはうん!といつもの明るい声でいうとバイバイ〜と手を振った
私も手を振ってその場を離れる
ちらっとみた付箋の質問の答えを思わず二度見してしまった
Q ディノちゃんがこの前の旅行で1番美味しかったものは?
A フルーツ牛乳と恋の味
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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時