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18 DINO side ページ18

旅行中、あまり観光はしなかった


ただひたすらに、久しぶりに人の目を気にすることなく、女の子との青春を味わった


Aちゃんは、僕のことをずっと可愛いと言っていた


それが少し嫌だった


何度か言われて怒りそうになったけど、どこかでアイドルのディノが邪魔をして、優しく笑いかけたり誤魔化したりしてしまった


だからきっと彼女には僕の気持ちは伝わっていない


それに彼女はジスヒョンが好きだった


眠りながらむにゃむにゃと甘い声でヒョンの名前を呼ぶのを見たときは、僕の中で何かが崩れ落ちた気がした


あの後、少しふてくされていたけど、Aちゃんは全く見当違いをしていたなぁ


だからきっと、この気持ちも伝わっていない


女の子はみんないつも、ヒョンたちを見ていた


この子は違うんじゃないかって


そう思って接していた僕だったけど、結局最後まで僕は末っ子のディノちゃんだったみたいだ


玄関に背を向けて旅館を出ると、なぜかわからない


頰を涙が伝った


楽しかったんだ


僕を末っ子のディノちゃんとして見る君だったけど


僕は君といて楽しかった


呼び止められ、涙を拭くのも忘れ振り向くと


連絡先の書いた紙を僕に差し出しながら、僕と同じように泣き笑いしている君がいた


試そうなんて、最初から間違っていた


僕が君に恋をした


ただそれだけのことだったんだ

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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時

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