夢の中で (ページ16)

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『ねえディノちゃんってば』

『んー』

朝からのことでディノちゃんは床に座ってふてくされている

私の部屋から出ようとしないから、お母さんが気を利かせておやつなんかも持って来てくれた

これはしばらくそっとしておいた方が良さそうだ

ディノちゃんの横に座っていた私は諦めて机に戻り、寝る前にやっていた課題をまた始める

『……』

『……』

沈黙が気まずい

『…あのさ』

しばらくしてディノちゃんが呟く

『…ごめんね』

え？

『なんで謝るの？』

『いや、なんか自分でもわからないけど、少し気が立っちゃって。気まずくさせて、ごめん』

『ディノちゃん悪くないよ。私こそ、ここで寝てたりしてごめんね？』

きっとディノちゃんは私が寝ていたことに怒ってるのだろうと思って、そう謝る

するとディノちゃんは少し眉毛を下げて笑った

『そうじゃないんだけど、そういうことでいいや』

『仲直り！』

私がディノちゃんの横に行って手を差し出すと、彼は驚いたみたいで、それでも優しく私の手を握った

そのあと、なんだか恥ずかしくなって

少し笑ってディノちゃんを見ると

彼も同じ表情をしていた