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その日の夜


『はい!』


冷たいフルーツ牛乳の瓶を、裏庭のベンチに座るディノちゃんに渡す


『おー!ありがとう!!』


私も横に座って夜空を見上げながら飲み始める


『あの、これ…』


『ん?ああ、あかない??』


横を見ると瓶を不思議そうに見つめるディノちゃん


『…かわい笑』


そう呟いてから瓶を受け取ろうとすると、スッとかわされる


『ディノちゃん?』


『あの〜さあ…』


私と目を合わさず真顔で呟くディノちゃん


『うん?』


『いや、なんでもないや笑』


ディノちゃんはたまに見せる寂しそうな顔で微笑み、私に瓶を渡す


『なに〜笑 はい、あけたよ』


『ん、ありがとう』


2人で夜空を見上げる


『今日楽しかったね』


『うん、案内ありがとね?ここがすごく好きになったよ』


『本当?そう言ってもらえると嬉しい!』


『韓国に帰っても忘れないよ』


『…そっか、ディノちゃんも帰っちゃうんだよね』


いつもお客さんとはせっかく仲良くなったのに、すぐに帰ってしまうんだ


『Aちゃん』


『ん?』


『帰っても忘れないから、悲しまないで?』


『うん』


ディノちゃんが目を細めて頷く


離れたくないのは、私だけかな

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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時

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