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ジリリリリリリリリリ
布団から手だけを伸ばして目覚まし時計を止める
私の自慢は寝起きがいいこと
ゆっくり起き上がると伸びをして深呼吸
「…よし」
頰をぺチっと両手で叩いてから布団を出る
すぐ着替えて自分の部屋を出ると、静かな建物の廊下を歩いてロビーへ向かう
私の家は小さな旅館を営んでいるのだ
そして私は大学に行きながら、旅館の手伝いをしている
毎朝旅館のロビーで今日の指示を両親からもらう
ロビーの扉を開けても誰もいなかった
「いっちばーん…」
小さく呟く
その直後にガチャっと扉が開いて両親がタッチの差で入ってきた
「おはよう、A」
「おはよう、お母さん、お父さん」
朝のミーティングが始まった
「…それで今日来るお客様は韓国のご夫婦よ」
「え!!本当??」
私はK-POPが好きで大学でも韓国語を習っている
うちの旅館は小さいけれど、外国の方が来ることは多かった
「Aが今日はよく働いてくれそうだな」
お父さんが微笑みながら私の頭をゆっくり撫でる
「うん!もう頑張っちゃうよ!」
韓国のご夫婦か〜、どんな人たちなんだろう
「夕方にいらっしゃるみたいだから、学校終わったら寄り道しないでね」
「まっすぐ帰るから安心して」
そう笑い合って、朝のミーティングは終わった
また自分の部屋に戻ってベランダで朝の空気を吸う
今日が始まり
何かが始まる、気がした
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作者名:詩音 | 作成日時:2017年9月14日 23時