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一瞬だった
だけど俺にはとても長い一瞬だった
そっと重ねた唇が
こんなに柔らかく
愛おしく
儚いものだったなんて
小さく音をたてて
唇が離れる
そのまま俺は力強く
全ての愛を込めて
Aを抱きしめた
「大好きだ」
いくら言葉を探してもこれしか出てこなかった
俺の胸でうんうんと頷く
A
この時が永遠に続いて欲しかった
この香りも
この感触も
この体温も
全て抱きしめたこのままで
俺の中に取り込んでしまいたいと思うほどだった
それでもゆっくりと
身体を離す俺たち
「俺と、
付き合ってください」
Aはさらに涙をこぼした
だけどその直後の
Aの返事で
俺の視界も
涙でぼやけて何も見えなくなってしまった
fin.
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作者名：詩音 | 作成日時：2017年1月27日 21時
