奇妙な関係・４ ページ5
コネシマはAと武藤を交互に見る。
「なんやおまえら、親子か？」
まずい、と顔を強張らせる武藤がチラリとAを見る。
「あー、コネシマくん、蓮水くんと私は…」
「武藤さんとは小さいときからの知り合いなんです。血はつながっていませんよ。」
「そうか。」
コネシマはそれ以上深く追及せず、下を向いて煙を吐き出した。
「で、何しに来たんやアンタ？」
「あ、いや、君たちが飛び出して行くから心配で追いかけてきたんだけど。なんか大丈夫そうやね。」
武藤は汗をかいた額をパタパタと手で仰ぎ、Aとコネシマをにこやかに見つめる。
「蓮水くんにとっても、コネシマくんと組むのはいい経験になる思うよ。」
「課長たちからも期待されているようですし、この際コネシマさんから違法捜査のノウハウ学んで私もそっちの道に行こうかな。」
「やめてっ！」
「誰が違法捜査やしばくぞ。」
二人がそれぞれつっこみむと、Aから花がほころぶような笑みがこぼれた。
先ほどまでとは打って変わったあどけない笑顔に呆気にとられているコネシマを、武藤は肩をすくめて見ていた。
会議室で、Aとコネシマは捜査資料を見ていた。
「こいつが俺が調べた容疑者や。」
小さなデスクに叩きつけるように置いた資料には、監視カメラの映像らしき画像が載せられている。
黒いスーツに身を包んだ金髪の人物。
まわりの様子からはかなり背が高いのがわかる。
「この男が？」
「ああ。都内中心に裏でコッソリ暴れまわっとる組織の幹部。表では一般の団体を装っとるが、完全に黒やった。」
「グルッペン・フューラー…。」
「ええか。」
顔を横に向けると、コネシマの険しい顔がすぐ近くにあった。
「今週末の潜入捜査、俺はこいつの周辺を嗅ぎ回る。おまえはできるだけ深くこいつと接触しろ。」
「了解。こいつの詳細は？」
「裏家業のわりには表でも社交的らしい。恐ろしく頭が切れて合理主義。おまけにケンカっ早い。」
「どこからの情報？」
「それは言えん。」
ぺらぺらと情報が出てくることに呆れるAにニヤリと笑うコネシマが何かを言いかけたが、急にドアが荒々しく開けられた。
「Aさんどういうことですか！俺とバディ解散してこいつと組むとか認めません！」
「だから上からの命令なんだって！わかってくれよ…。」
現れたのはショッピと、ぐったりと疲れ果てている武藤だった。
ショッピは入ってくるなり、キッと眉をつりあげる。
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作者名：サハラ | 作成日時：2022年1月6日 12時
