トリップ先の婚約者は【おそ松】 (ページ2)

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Episode 1 ページ2

『行ってきまーす』

「はい、行ってらっしゃい」

あのあと、いつもより少し早く目を覚ましたおかげで登校するまでの時間をゆっくりと過ごすことができた

「おはよー。ぼーっとしてどうしたの？」

声をかけてきたのは、私の幼なじみでもある優美。私の頼れる親友だ

『あぁ...おはよ。ちょっとね...今日変な夢見てさ』

そう言って、今日見た不思議な夢を彼女に話す

いつもは夢の内容なんてすぐに忘れてしまうのに、今日のはなぜだかとても鮮明に覚えている

「ふーん。でもさ、その6人の男子って顔もそっくりだったんでしょ？なんかちょっと怖いね。双子とかならまだしもさ」

『私は特に何も思わなかったな...。もしかして六つ子だったりして』

たしかに、彼女の反応が普通なのかもしれない。それでも私は彼らを怖いとは思わなかった

笑いながら、冗談半分で言えば彼女も「さすがにそれはないでしょー」と笑いながら返してきた

学校についてからも話しながら、教室へと向かう

「毎回思うんだけどさ、なんで私達の学年だけ3年間教室がずっと3階なんだろね」

『ほんとに。1階の2年生が羨ましい。普通だったら学年ごとに階が変わるのに』

重たい荷物を持って3階まで行くのは決して楽ではない

卒業するときに校長に文句言ってやる

朝のHRが終わり、1時間目なんだったっけと考えていると優美が私の席にやってきた

「次、移動だよ。音楽室」

『え...めんどくさ』

「はいはい。いくよー」

一気にテンションが下がり、げんなりしながら音楽室までの道を進む

音楽室は1階の奥にあるため、移動に時間がかかる

いっそ私達じゃなくて教室が移動すればいいのに

そんな考え事をしていたからだろうか

きっと罰が当たったのかもしれない

なんと降りて数段のところで階段を踏み外してしまった

気づいた時には体は宙に浮いていて、驚く優美の顔が見えた

落ちながらも頭は冷静で、結構高い場所からだからもしかしたら死ぬかもなーなんて他人事のように考えていた

そして頭が床に当たると同時に、私は意識を手放した

『痛っ.......くな、い？』

来るはずの衝撃が来ないことに驚き、思わず体を起こす

するとそこには、1階の廊下ではなく見慣れぬ風景が広がっている

この、頭が状況整理をできない中言えることがひとつ

『ここ、どこおおおお？？！！』