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第二十八夜 神は唐突 ページ28

「え……あ、あの……」
「ん、そういえば会うのは初めてね。…………それにしても本当に綺麗な娘だねぇ、あの魔法使いが誉める訳だ。」
「え……?」
「はっはっは、中々に素直そうな子じゃないか。」
 呆然とする私の前で男前に笑うのは紫がかった青髪の女性。白い長袖に赤い半袖を重ね着していて、ゆったりしたスカートを着ている。更に頭には楓と銀杏の葉の飾りをつけた小さな注連縄を巻いていて、体のあちこちに小さな注連縄を巻きつけている。胸元には黒ぶちの鏡があり、何というか不思議な、しかし雰囲気のせいか格好いい女性だった。
「早苗とはまた違った巫女だ。何ていうか大人だねぇ。」
「あ、ありがとうございます……?」
「神奈子様!!萃香さんが大変なんですから手伝って下さいよ!!」
「そうだね、でも私は傷を癒す力は持ってないから私よりは向いている諏訪子を起こしてくるよ。」
「えちょっ神奈子様ぁ〜!?」
 巫女さんの言葉を聞き流して女性は部屋から出ていった。…………あの神力の感じ………まさかあの人………
「ああぁどうしましょう!!萃香さんっ、萃香さん!!」
 すると巫女さんが青褪めた顔で叫び始めた。どうも普通の治療では限界だったらしい。……………仕方無い、やるしかないか。でも………来てくれるかな?
「こうなったらもう奇跡の力で……!」
「大国主神、大国主神。いらっしゃるだろうか。」
<………わかっている。そこの鬼だな>
「え、ああの、どうされたんですか……?」
 戸惑う巫女さんに構わずいると、鬼の体が淡く光り始めた。巫女さんは慌てているが原因を知っている私としては癒しの光にしか見えない。
「す、萃香さん!?な、何が!?」
「落ち着いて下さい。治療しているだけです。」
「えっ?」
「………終わったようですね。」
<全く、神使いの荒い巫女だ。此度も見知らぬ妖気が纏わりついている故傷は治し切れていないぞ>
「それでも感謝する。本当に、ありがとう。」
<全く………近い内にまた来よう>
「は?」
<金山姫神が目にした舞、期待しているぞ>
「あ………」
 私が呼び止める前に大国主神は去ってしまった。
 ……………金山姫神、さては言い触らしたな……………

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文月鎖夜(プロフ) - swksさん» おおお、お久しぶりです。頑張れ……ばいいのかな?頑張りまーす(( (2016年3月30日 22時) (レス) id: 3c35e627c1 (このIDを非表示/違反報告)
swks - 久しぶりに見たけどここだったのかーいいぞ!もっとやれ(真 (2016年3月30日 21時) (レス) id: abf12aecc0 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 明日こそ……更新を………ガクッ (2015年6月4日 16時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 更新頑張ると言ってすぐですが、ちょっとテスト間近なので更新休みます。(はよテスト終われー) (2015年5月24日 22時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)
文月鎖夜(プロフ) - 優里佳さん» ありがとうございます!!!これからも見て下さると嬉しいです♪更新頑張ります(*^▽^*) (2015年5月22日 22時) (レス) id: 8b8cd9f128 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:文月鎖夜 | 作成日時:2015年3月25日 22時

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