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第三十二夜 乙女な天狗 ページ33

ふぅ………さて、
「どうしよーかなぁ……」
「今更過ぎるでしょその後悔。」
「……いや、はい……まぁ反省はしてるんですけど、ね?その……いえですね…」
「ぶつぶつ言ってるぐらいならとりあえずアレどうにかしたらどうなの?」
「…………」


「ひぐっ……うっ……ひっ……」
「あー文さん大丈夫大丈夫ですよぉ?」
 ………私、
 ………ついに怯え泣きさせてしまいました………


 いや違う、違うんだよ。いくら本気で追いかけてもせいぜいビビる位で済むかなーと思っててまさか神光が頬の真横をかすめた瞬間に涙ボロボロで泣き出すと思わなかったんだよ!
 ………ただ、やり過ぎ、だったかなぁ……
「……ちょっと、Aさん!」
「は、はい?」
「そろそろ自分で慰めてあげて下さい!」
「え、えぇ……でも今私が近付いたら多分大泣きするかと………」
「でも今のままじゃどうにもならないわよ。」
「…………」
「もう行動あるのみですよ!なんならまた後ろから抱き締めてあげればいいじゃないですか!」
「えっ!?」
 またやるの!?
「……何してたのよ貴女達。」
「いえあれは文さんが」
「つべこべ言わずにほらゴー!」
「えちょっと美鈴さっ……!」
 ドンッ!と押されて文さんの背後に立つ。
「……っ、ひ、ぅ……うぐっ………」
「…………」
 改めて思う…………やり過ぎた。
「………あーもうどうにでもなれ!」
 やけくそ気味に呟いて文さんに後ろから抱きつく。
「へ………っ、Aさん………」
「えーとその………すみませんでした、調子に乗り過ぎちゃって………あぁ嫌なら今すぐ離れま「ま、待って!待って、下さい………」
「え、は、はぁ…………」
 ………沈黙が流れる。うわ気まず………
「…………すみませんでした。」
「え?」
 え、何で文さんが………
「私こそ調子に乗っちゃって……本当はじゃれる程度で済ませようと思ったんですけど、その、Aさんの顔が……本当に殺人快楽者みたいな笑顔だったので……」
「…あれー?そんなに怖い顔でした?」
「ええもの凄く……」
「あー………本当すみません……このキレやすい性格何とかしないと……」
 無意識でそれはマズいな………
「………ふふ。」
「?」
 ん?
「私………本気で泣いたの数百年振りですよ。」
「……は?え、数百……」
「天狗の寿命は長いんですよ………ふふ。」
 ……何故かは知らないけど、文さんはずっと笑っていた。

第三十三夜 テンプレ要素 ……主人公はやっぱり鈍感……→←第三十一夜 鬼畜鬼ごっこ ※捕まったら死★



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霧雨初那 - *はなた*さん» ありがとうございます!これからも読んで頂けるよう、頑張ります♪ (2015年1月20日 21時) (レス) id: 40dcb8a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
*はなた*(プロフ) - 面白いです!頑張って! (2015年1月20日 21時) (レス) id: ce479bf433 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨初那 - swksさん» 宿題ふぁいとぉ〜wwww私は終わりましたよ?wwww (2015年1月15日 22時) (レス) id: 40dcb8a3b1 (このIDを非表示/違反報告)
swks - 宿題が終わらない。テストどころじゃない! (2015年1月12日 15時) (レス) id: abf12aecc0 (このIDを非表示/違反報告)
霧雨初那 - 今日から4日程、テスト期間(私学生なので…)に入るので、その間更新出来ません…… (2015年1月12日 12時) (レス) id: 40dcb8a3b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:文月鎖夜 | 作成日時:2014年12月14日 2時

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