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ピーッ
審判が笛を鳴らし試合は始まった。
日向があまりにも緊張しすぎているせいで逆にこちらは緊張も吹き飛び冷静になってしまう。
反対側のコートに居るゆうちゃんが日向を見ながら驚きを見せる。日向の身長で
「日向緊張してるなー」
「菅原先輩ちょっと軽すぎませんか!?」
「試合は誰でも緊張するからな!」
「あれは緊張"しすぎ"の領域だと思いますが……」
まあ、それでこちらも慌てすぎてしまったらそれこそ終わりかも……。
あー!!早く後頭部サーブ決めちゃって下さい!!
結局私は日向の身を案じているのかいないのかどちらなのだろう。自分でも分からん。
先程から失敗続きで泣きそうになっていく日向を見ながら私は苦笑した。
決して失敗を見て笑った訳ではないよ??
そしてついに来た後頭部サーブ。
──バゴッ
想像していたよりもエグい音を出した後頭部サーブ。漫画だと"ドンマイ"位にしか思っていなかったがこれは痛い痛い。
念のため保冷剤を脇に準備し、日向と飛雄ちゃんで繰り広げられている青春会話を軽く聞き流しながら1セット目が終わりタイムアウトとなった。
ピピーッ
日向は想像していた飛雄ちゃんの反応が違った為かポカンッとしながらコートのど真ん中に立ち尽くしている。そこに近付いていく田中先輩を確認し、私は飛雄ちゃんの元へ走り寄る。
そして準備していた保冷剤を飛雄ちゃんに差し出す。
「飛雄ちゃん保冷剤。頭に当ててね」
「おうA、あっありがとな」
「どういたしましてっ」
飛雄ちゃんは私から素直に保冷剤を受け取り、
自分の後頭部に当てた。
たんこぶにならないといいね。
あっでもできたらできたで面白いかも。
ふふっ、と笑いながらも選手達にドリンクを配っていく。月島君に変な目で見られたけど気にしない気にしない。
ピーッ
タイムアウトは終わり選手達がコートの中に戻っていく。日向の顔はさっきまでとは違い晴々としていた。
田中先輩の貴重なお言葉のお陰かな?
2セット目、1度は失敗した変人速攻も2回目からは成功し相手の度肝を抜きつつ順調にリードした。
そしてついに2セット目を烏野が先取。
烏野押せ押せムードで3セット目を迎えようとしたその瞬間そんな空気を壊すかのように"あの人"は現れた。
「アララッ
1セット取られちゃったんですかー!!」
私の元北一の先輩──及川徹が。
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奥山乃愛(プロフ) - いきなりすみません🙇出来たら全員のキャラに愛されたいです!(恋愛的に)あと落ちは出来れば全員落ちみたいなのが見てみたいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年1月16日 16時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!どうか終わらないでください!この小説の続き楽しみにしてます! (2022年8月19日 10時) (レス) @page10 id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
希(プロフ) - 早く次出してください面白いので (2021年3月6日 12時) (レス) id: cb7900525d (このIDを非表示/違反報告)
モンブラン - 終わりにしないでください!凄く、面白いです! (2019年8月15日 12時) (レス) id: e01aa47e88 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - どうか終わりにさせないでください! (2019年6月13日 22時) (レス) id: 1843896a73 (このIDを非表示/違反報告)
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