花束をキミに［幸村精市］ (ページ16)

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チューリップページ16

｢千年の花、どうせ部長と先輩の合言葉でしょ、
愛おしそうに教えてくれましたよ、
ほんと忌々しい……ッチ｣

おい、誰に舌打ちしてるの、

だけど赤也のその姿は初めてみるから新鮮だった

｢千年の花、おまじない、
叶えて欲しい希い
たとえこの代になっても届ける
その希いは
人気者のまま死にたくないだ
最後の最後でいいから、本当の自分と関わって欲しい、知って欲しいってのが先輩の希いだったんすよ
部長、何度も何度も
笑わないで、我慢しないでとか言いましたよね、
あれ、言う相手間違ってるッスよ
先輩に言ってください、
ずっっと無理して笑ってた先輩に言ってよ！
あんたに助けを求めた、
求めることしか出来なかった先輩に言えよ！｣

その言葉でやっと気がつく

｢赤也はこんな気持ちだったの？
Aはこんな気持ちだったの？
それを俺は簡単に踏みにじって……殺した｣

俺が、殺した

小さなAを

守ってあげたいと

愛した人を

俺が

殺した

｢ああﾞ！めんどくさいな！
だけど！先輩は部長が殺してくれたことを喜んでた！
また背中を押してもらえた
過去の自分を知ってる人が否定してくれた
新しい自分になれる
もう、部長の優しさに甘えられなくしてくれた
いつもいつも助けられる
本当にありがとう
大好き！っていつも言ってた！
だから、恨まないで、ってお願いもされてた
精市を、精市の大切な人をまもって、
そばにいてあげてくださいってお願いされた！
この希いはずっとお願いされてた！
そんだけ愛されてたんだ、
そろそろ、墓参りぐらい行ってあげてください、部長
もう、先輩はいません
だから、前に進んでください
先輩がずっと守ってくれてたんだから
死んでもなお頼りっぱなしは可哀想っすよ
先輩はみんなに殺された
部長だけのせいじゃありません｣