キツネノマゴ ページ12
「精市、大好き
だけど、無理だから……
もう私が愛してると言えなくなっても覚えていて」
そう泣きながら告げられる
こんなの無理だよ
酷い
思わず抱きしめてしまう
大好き
「じゃあね、幸村くん!」
簡単に突き放されて
手を振られて
背を向けられる
「あぁ、もう本当に酷いよ、」
こんなに惚れさせときながら……
世界でいちばん
憎くて
大好きな
キミへ
ありがとう
それからAは学校に来なくなった
来れない
事故で死んでしまった
お葬式は家族だけだったから行けなかった
墓参りにも怖くていけない
そうして
俺たちの1年過ぎて
もう悲しい季節がやってくる
冷たい冬風に
手を擦り合わせ
外に出る
「3年……6年間苦労をかけたね」
あの時みたいに泣きわめかない赤也を見て時がたったことを実感させられる
みんなで思い出の場所を巡る
教室に
生徒指導室
図書室に
部室
最後の
1番の
思い出の場所に行く
コートの真ん中に人が集まっている
「どうしたんだろう」
不審と好奇心が込上がり
皆でかけよる
そこには少し大きな箱が置いてある
「なんですかこれ」
そばにいた先生や後輩に聞いても分からないらしい
卒業式が始まる前はなかったのに……
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:I like choco. | 作成日時:2020年11月1日 12時