【銀魂】私の小さな世界事情【高杉晋助】

奥さんとガールズトークの事情 ページ38

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沢山のものを失った気がする。
しかし、確かにここに存在するものだってあるのだ｡

「そしたらね、そよひめ様が……」

「元気な人だなぁ」

「おかあさん、そよひめさまってなぁに？」

「信女の……お友達だよ」

「へぇぇ！どんなひと？」

得られた物は素直に嬉しい。
こうやって信女と談笑して、子供達に話の腰を折られて。
幸せだ思う。

けれど。
やっぱり。

「幾つになるのだっけ、この子達」

「一歳と半年よ」

「早いわねぇ。あっという間」

タケノコのようにすくすくと成長していった常磐と瑠璃は、今では一人で歩けるようにまでなっていた。
首が座っていなかった時がまるで遠い昔のよう。

「常磐はあなたにほんとそっくりね」

苦笑し頷く。
瓜二つ、というか、親子と言うのが間違えようがないほど似ているのだ。
ちなみに瑠璃も晋助さんにそんな感じで似ている。

取り違えっ問題とかよく聞くが、私達とは無縁の世界だ。

「でもまあこの子達の顔が同じじゃなくて良かったかな」

すくなくとも私達と同じ運命は辿らない筈。
勿論同じ顔でも愛していたけれどね。
それでも安心する。
きっと、私の人生は推奨できるものじゃないから｡

「……茜は」

「左遷された旦那にくっついて行ったわ」

「土方と一緒か。ならば良かった」

「…Aはどこまでも行っても優しいのね」

優しくはないよ。
自己満の為だ。心配しているのは。

「もう少し上手に生きれなのではないか…今になって後悔することがある」

「あなたも後悔とかするの？」

「うーん、しないかな…」

なにそれと笑い合う。
幸せな午後の一時。

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