【銀魂】100日後に死ぬ(死なない)高杉晋助【高杉晋助】

58日後に死ぬ(死なない)高杉晋助 ページ42

三月十三日(土曜日)






今日は朝から雨が降っていて低血圧頭痛持ちのAの機嫌は死ぬほど悪かった。
別に何かに当たる訳じゃないが、沸点が限りなく低くなっている。
それをわかってる筈なのに煽りよるのが沖田という奴で……


「なんでそんなにカリカリしてるんでィ。カルシウムが足りてないんでさァ。アッ、それともせいr……」

「あー！手が滑った！！」


と言うとAは学校指定のバックを振り上げ沖田の後頭部を殴った。
ドサリと倒れる沖田。


「今のは総悟が悪い」

「てかこの前うちのバカ妹にも同じことで殴られてたじゃん。学習しないなぁ」

「いや、まあ俺的には学習する沖田くんも怖いけどね。なんか絶対ろくでもねぇこと考えてるんだもん」

「おい男子高校生がもんとか言ってんじゃねぇ気持ち悪ぃ殺すぞ銀時」


ぎゃあぎゃあ騒ぎながら珍しく六人で登校していると、校門前で先公の風紀検査に捕まった。
ああ、こりゃまた一段とAの機嫌が悪くなるぞとため息をついて各々バックの中を見せてゆく。


「土方……は、大丈夫だな。通っていいぞ」

「っス」

「坂田……ってなんだこれは！学び舎にエ〇本を持ってくるな！没収だ！」

「あ、学校で捨てるために持ってきたんで捨てといて下さい」

「沖田……なになに？世界の拷問大全？馬鹿！もう……馬鹿！」

「芸のないシンプルな罵倒ですねィ」

「高杉……お前は教科書をもってこいやァア！空っぽじゃねぇか！！」

「どうせサボるならカバン軽い方がいいだろ」

「A……あの、なんでりんごがまるまる入っているんだ……？」

「ああ、それはお昼に食べようと思ってて、こうやってッ！……ね？」


Aは片手でリンゴを易々砕くとにこりと先公に笑いかけた。
その顔がちょっと怖くて俺はそっと目を逸らした。

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