刀は結構反射する ページ20
.
白い着物を脱がして羽織る。
少し、いや、結構大きいがまぁこれぐらいなら動いてて邪魔になることは無いだろう。
持ってきたロープで坂田さんの手を後ろに拘束。
一応ここから前線までかなりの距離があるけど、万が一天人に見つかった時対応出来ないとこまるから。
解けるか、解けないかぐらいの強さで縛った。
くたりと動かない坂田さん。
まあ、この位で死ぬ人ではないと思うが…
うん、大丈夫。息してる。
近くの草むらに引きずって、バレないように葉っぱをかけた。
これで坂田さんの処理は完璧。
次は…と、刀を抜く。
白粉の粉は私の髪に満遍なく塗られていて。
勿論鏡ではなく刀で確認しているから綺麗に塗られていないかもしれないが、ここは戦場。
そこまでしっかりは見ないし見れない。
「き、貴様!銀時さんに何を!」
「まさか、密偵か!?」
「裏切り者め!」
…おっと、まだ面倒なのが残っていた。
その数ざっと十五人。
最悪全員黙らせることは出来る。
が、そんな体力の無駄遣いしたくない。
だって目的は一緒だから。
「……私は天人共を殺す。密偵では、決してない。
坂田さんに手荒な真似をしたのはこうせざる負えなかったからだ。私だって本当はしたくなかった。」
もう一度言う。
「私は密偵では無い。あんた達のことはわからないが、坂田さんも桂さんも晋助さんも必ず助ける。
だから、どうか。
どうか力を貸してくれ。」
頭を下げた。
これは紛れもない本心。
頼むぞ。これでわかってくれなくては強制的に黙らせるしか方法がない。
「し、しかし…」
「あんた達だって三人には生きていて欲しいだろう?最年少でまだ希望のあるあの人達には」
「………」
全員が、黙った。
多分誰もが分かっていたのだろう。
自分達ではこの戦争を生き残れない事を。
生き残れるのはその三人だけだろうという事を。
「…指揮は私が執る。私は一番近くであの人の指揮を見てきたから、少しは出来るはずだ。
…来たくない者は来なくていい。多分生きては帰れない。」
くるりと背を向けた。
着いてくる足音は十五人。
私はこの人達を救えない。
でも、責任をもって。
私はあなた達の希望を救ってみせる。
今日一番貴方を癒してくれる高杉
キセル高杉
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美結菜 - とても面白かったです!完結おめでとうございます!沖田レイアさんの作品は全部見ました。とても好きです! (2023年2月13日 17時) (レス) @page29 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - tさん» ありがとうございます!本当にいつも励みになっております! (2019年6月16日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
t - 言葉にならないほどサイコーでした! (2019年6月16日 20時) (レス) id: 98ce886fc4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - こんな勝手な駄作者に暖かいコメントを書いて下さって本当にありがとうございます!もう、本当に神様です (2019年6月3日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - こんなにいい作品をありがとうございました! (2019年6月3日 16時) (レス) id: 99b24daa8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年2月24日 20時