検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:32,588 hit

だれもが私を恨めばいい ページ19

.




髪を高く1つ結びにした。
だってこの髪型が一番楽なんだもの。
色の褪せた灰色の袴を履いて、防具は一番軽いヤツ。
心許ないけど、仕方ない。
重くて動けなくなっても困るし。

…っと、忘れちゃいけないのがこの大量の白粉の実。
確かに懐に入っている事を確認して襖を開けた。

夜明けだ。

ほんのちょっぴり顔を出した太陽が眩しい。
思わず目を細めた。

「…A…か?」

振り返ると同じように目を細めている晋助さん。

「おはようございます。」

「おう、はよ。」

ゆっくりと歩いて隣に立つと静かに空を見上げる。
つられて私も上を向いた。
青くて、壮大で。
果てしなく続く空を見ていると、少し落ち着いた気がする。

「お前、なんで銀時のとこに志願した」

「……」

「激戦区だと知っていただろう?」

「‥だからですよ。」

今度は晋助さんが黙った。

「大丈夫、私が必ず坂田さんを死なせはしない」

私は淡く微笑んだ。
もう、だって私は笑うしか無いでしょう?

「…頼りにしてる。でも、お前も死ぬなよ。」

俺と最後まで生きようぜ。

「………」

「…A?」

目をつぶる。静かに息を吐いた。

「…私はあなたが大好き(嫌い)です。私はあなたを愛して(憎んで)います。
だから私は」

あなたにとっての最悪を望みますよ。

そう言って踵を返した。
晋助さんの顔を見れなかった。
傷ついた顔をしていても、平気そうな顔をしていても、どっちも傷つくから。

広間に行くと坂田さん。
おにぎりを差し出してくれた。
具なしの塩無し、味も素っ気もないおにぎりだったけど。その優しさがとても美味しかった。

少し泣いてしまったけれど多分誰にもバレてないよね。

坂田さん率いる部隊は少し早めに西の戦線へと向かった。
チャンスは、今しかない。
この人が白夜叉になる前に決行しなければ。

刀を鞘ごと腰から抜いて。
ドンと激しくその頭を殴った。
坂田さんは声にならない呻き声を上げると2、3歩よろめいて倒れた。

ざわめく他の人数は、私に刀を向けて来るものも居るが残念ながら小娘は切れないようだ。


鼻で笑って私は髪を切った。
今までした事が無いくらい短髪に。
そして白粉の実をすり潰して。

短くなった髪に塗った。

刀は結構反射する→←穏やかな女の裏側は


今日一番貴方を癒してくれる高杉

キセル高杉


目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
37人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 高杉オチ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美結菜 - とても面白かったです!完結おめでとうございます!沖田レイアさんの作品は全部見ました。とても好きです! (2023年2月13日 17時) (レス) @page29 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - tさん» ありがとうございます!本当にいつも励みになっております! (2019年6月16日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
- 言葉にならないほどサイコーでした! (2019年6月16日 20時) (レス) id: 98ce886fc4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - こんな勝手な駄作者に暖かいコメントを書いて下さって本当にありがとうございます!もう、本当に神様です (2019年6月3日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - こんなにいい作品をありがとうございました! (2019年6月3日 16時) (レス) id: 99b24daa8e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年2月24日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。