全滅突破口 ページ17
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坂本さんが抜けてから数日。
大規模交戦が始まった。
最後の総力戦。
今更情報漏洩とか関係ないので三人の会議にひっそりと入って行っても、桂さんに一瞥されただけだった。
「よし､ならば俺は東､高杉は南､銀時は西でいいか」
「私は反対です」
六つの目玉がこちらを向いた。
「私はその作戦に反対です。今回の戦は三人一組でゆくべきです」
「A…？」
晋助さんが不審そうに呼んだ。
でも、無視を決め込む。
今私が話していのは桂さんだから。
「今俺達は三方位から攻められている！ひとつにまとまって敵陣突破など、囲まれて終いだ！」
珍しく声を荒らげた桂さんに、おどろく間もなく反対する。
「私は可能だと思います！弾丸のようにまとまり真っ直ぐ進めば突破出来ます！」
「それでは有事の際に全滅では無いか！！」
「ヅラ…」
坂田さんの静かな声に、激昴していた桂さんがハッと恥じるように目線を下げた。
「…ヅラじゃない､桂だ。怒鳴って悪かった､A殿｡やはり俺もまだまだだ。こんなに動揺するとは」
いや、私も考えが至らなかった。
そうか、この三分割作戦には誰か1人でも生き残って欲しいという想いがあったものだったのか。
「でも、私が思うに三人揃った時が一番強いと思うんですが」
「たとえ三人で戦争を生き抜いたとて我々の目的はそれではない。恩師の奪還だ」
『松陽先生はなぁ、銀時に殺されたんだ』
えっと私は息を飲んだ。
『だがまぁ勿論望んで殺した訳じゃない。そうせざる負えない状況があったんだ。』
目線で先を話すように頼む。
私は晋助さんの全てが知りたかったのだ。
『間抜けな話だがなぁ、俺とヅラが捕まっちまってよ。銀時は俺とヅラか、松陽先生かを選択せざるおえなかった。』
ふっと晋助さんの目から光が消えるのがわかる。
『たらればの話は嫌いだが、どうしても考えちまうのよ。もし…』
もういいと抱きついた。
もうこれ以上傷口を抉らないで欲しい。
『お前が泣きそうな顔してんじゃねーよ』
苦く笑って抱き締め返してくれたその大きな手。
上下する胸板。
あなたは私と変わらない生身でどれだけたくさんのものを背負ってきたのだろう。
これからは、私があなたを支える。
多分荷物は永遠に減らない。むしろ増えてゆく。
だからあなたがその重みで潰れてしまわないよう。
私があなたを支えるから。
だから。
「だからこその突破です。
私は皆さんを死なせはしない。必ず。そして」
今日一番貴方を癒してくれる高杉
キセル高杉
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美結菜 - とても面白かったです！完結おめでとうございます！沖田レイアさんの作品は全部見ました。とても好きです！ (2023年2月13日 17時) (
レス) @page29 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - ｔさん» ありがとうございます！本当にいつも励みになっております！ (2019年6月16日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
ｔ - 言葉にならないほどサイコーでした！ (2019年6月16日 20時) (レス) id: 98ce886fc4 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - こんな勝手な駄作者に暖かいコメントを書いて下さって本当にありがとうございます！もう、本当に神様です (2019年6月3日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
モンキーリボン(プロフ) - こんなにいい作品をありがとうございました！ (2019年6月3日 16時) (レス) id: 99b24daa8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沖田レイア | 作成日時：2019年2月24日 20時
