三十一匹 ページ31
.
「おうのさん、こんにちは」
「Aちゃん、こんにちは。珍しいわね、この時間食堂に居るの」
「ええ、まあ……」
言い淀んで困ったように目尻を下げればおうのさんは察して声のトーンを下げた。
「何かあったの……?」
「いえ、何という程のこともないんですけれど」
「どんな些細な事でも怒ったりしないわよ。一応歳上なんだから、それくらいは姉貴分っぽいことさせて」
そう茶目っ気たっぷりに言うと、ニッコリ白い歯を見せて笑う。
きっとこういう所が晋助様のお気に入りなんだろうな。明るいというか、ユーモラス。
「ふふふ、じゃあお言葉に甘えて……その、最近おのぶさんに避けられているんです」
「え?のぶちゃんが?Aちゃんを?」
「ええ。特に何か怒らせるようなことをした記憶が無いんですけど……」
「うーん……それとなく聞いてみるわ」
「お願いしていいですか?」
「もちろんよ、任せなさい!」
おのぶさんもおうのさんには懐いていたし……
面倒な大事になる前に和解……せめて何で機嫌を損ねてしまったのかくらいは聞いておきたい。
「それじゃあ……お願いします」
178人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時