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先生の後を追って階段に出た。
どこか浮かれたように歩いていった先生は物陰にいた晋助さんに気が付かなかったらしい。
晋助さんは眉をひそめて先生の後ろ姿を見ている。
「先生がどうかしましたか?」
「いや……なんか、嫌な奴だ」
「そうですか?別にいい先生ですけど……」
「……ああ、そうだな」
晋助さんはまだ先生から目を離さない。
そんなに危ない人なのだろうか。
私にはよく分からない。
晋助さんは心眼だなぁ。
「……私も気をつけますから、ほら、眉間のシワ伸ばしてください」
「これは生れつきだ」
「うっそだァ」
私がクスクスと笑うと晋助さんも少しばかり顔を綻ばせる。
やっぱり彼は笑ってた方がいい。
「その方がカッコイイですよ」
「そうか」
晋助さんは私の髪を一房、するりと撫でる。
「なら、これからもAがそばに居て、俺を笑わせてくれよ」
晋助さんの、意地悪でもない、静かな微笑み。
穏やかに目を細めたその顔は。
いけめぇぇん!
「わ、わかりましたから。笑わせますから……」
思わず照れて顔を背ける。
だって、だって見た事ないほどのイケメンがそこにいたんだもの。
惚れちゃうよ。いや、彼氏様だけど。
骨抜きにされちゃうよ。
「くっ、これからも頼むなァ、Aサン?」
「……望むところですよ!」
ふと目を逸らした間に、居たのはいつもの晋助さん。
いや、いつもの時点でイケメンだけど。
私には、いつもの晋助さんでいいや。
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黒川紫光(プロフ) - キュンキュンしてます!これからも頑張って!続き楽しみにしてます! (2019年12月26日 2時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 七重さん» ありがとうございます!励みになります……これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月18日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
七重 - とってもこの作品面白いです!作品作り頑張ってください! (2019年12月18日 16時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年12月11日 20時