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フカフカのソファーの上。
家主でもなんでもない俺がゴロリと寝そべる。
「なー、Aちゃんになんかしたの?」
「……」
「無視かよ」
ふんわりと台所からコーヒーの香り。
飲めない癖に、この匂いは大好きだった。
「早く仲直りしろよな、チビ杉」
「……うるせぇな。関係ねーだろ、くそ天パ」
「あのねぇ……いい加減諦めろよ」
反動を付けて起き上がると、そこにはいつの間にかドリップを終えたコーヒーを持つ、馬鹿な幼なじみ。
「諦めるって何をだよ」
「諦めて認めろってこと」
「銀時、話が見えねぇぞ」
「だぁかぁらァ……」
頭をボリボリと掻く。
どうしてこの男はこうも物分りが悪いかね。
勉強はできる癖に。
「お前、Aちゃんが好きなんだろ」
「……は?」
「いつまでその、呆けたフリしてんだよ」
「銀時、お前、何言ってんだ」
「認めろよ。お前はAちゃんが好きなんだ」
俺は知っている。
知りすぎている。コイツを。
この男は、こんなに察しが悪い訳ないのだ。
「もう気付いてるんだろ?Aちゃんもお前が好きだってことにも」
「おい、銀時」
「いつまでたっても昔のこと、引きずってんじゃねぇよ!」
ガクンと視界がぶれた。
高杉の拳が左頬を殴ったのだ。
残った右眼をいっぱいに見開いて、拳を震わせながら高杉は言った。
「お前にとやかく言われる筋合いはねぇ!」
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黒川紫光(プロフ) - キュンキュンしてます!これからも頑張って!続き楽しみにしてます! (2019年12月26日 2時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 七重さん» ありがとうございます!励みになります……これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月18日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
七重 - とってもこの作品面白いです!作品作り頑張ってください! (2019年12月18日 16時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年12月11日 20時