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宵三つ ページ3

声のした方を向けば、こちらに向かって全力疾走して来ている方たちがいるではないか。


「……」


初めに甘露寺蜜璃、隣に胡蝶しのぶと煉獄杏寿郎。背後に黒いものが居るなと思えば、首に蛇を巻き付けてた知らない人がいて。

あれ?私、なんか悪いことしたらしいよ。




「Aさん、私、柱になったわ!」

もちろん、Aが危惧していた事ではなく、

「やっと、姉さんたちに追いつけた」

そう言って、胡蝶しのぶはAに思いっきり抱きついた。



「私も!私も柱になったのよAさ……いや、これからはAちゃんって呼ぶわ!もう柱同士だもの!!」

Aの手をぶんぶん振り回し、嬉しそうに話す甘露寺蜜璃。

「なら私は、Aって呼ぶ!」

「……」



____しのぶ、蜜璃ちゃん。



二人の会話に、Aも心の中で二人の名を復唱する。

だがこの先、声を出すことなんてあるのだろうか。上弦の弐との戦闘以来、出していないし、出そうとも……。



「では俺も名前で呼ぼう!A、A!!」

一際大きい声量で、名前を連呼する煉獄杏寿郎。

「禓黒と言ったな?貴様甘露寺とどういう関係だ、どういう仲だ、親しいのか。先に甘露寺と知り合ったからと言って……」

いやあの、貴方誰ですか。


初対面なのに、と若干引いていると彼の首に巻きついてる蛇がAに近づく。そして次の瞬間、蛇がAの頭にかぶりついた。

ガブリと、音を立てて。


「キャー!!」

「何してるんですかっ!」

「よもや!!」


全員が止めにかかる始末。


「Aから離れろ」

「冨岡いたのかよォ」


あ、いたんだ冨岡さん。





その後も、あーだこーだと会話が続いた。声の出ないAが置いていかれるわけでもなく、むしろ中心でいて。

きっと彼らは、気遣いはしなかったのだろう。

それはAにとって居心地のいいもので。




しのぶ、蜜璃ちゃん、杏寿郎、義勇、不死川さん、伊黒さん。




彼らの名前を呼びたい。




自分を変えたあの日から、初めて声を出したいと、そう思えた日だった。

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息抜き(プロフ) - ゲーム好きさん» コメントありがとうございます!更新頑張りますねー!<(_ _)> (2020年5月2日 3時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ゲーム好き - とても面白いです! 更新頑張ってください(^_^)v (2020年4月26日 0時) (レス) id: 84941e6373 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 藤雪さん» コメントありがとうございます!なかなか更新出来ずすみません……でも必ず絞り出していきますので、読んでもらえると嬉しいです<(_ _)> (2020年4月21日 16時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
藤雪(プロフ) - いやぁもう、好きです。無一郎くんが急に敬語になったところが少しびっくりしましたw更新頑張ってくださいね (2020年4月12日 22時) (レス) id: 08c5f26fea (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - Regulusさん» コメントありがとうございます!暇ができたので更新できそうですm(*_ _)m (2020年3月16日 13時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:息抜き | 作成日時:2020年1月15日 2時

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