宵二つ ページ2
__シュンッ
小さな音だった。
夜に浮かんだ一閃が鮮血を散らした。
「ぐ、ァ……」
断末魔すらも出せぬまま、頸を斬られ崩れていくそれは、鬼だ。
「Aちゃ〜ん!」
哀れな鬼が塵と化していくのを、じっと見つめる女。
「もう終わったのね〜」
その瞳に、情はない。
完全に鬼の気配がなくなった頃。
鬼の頸を斬った女__禓黒Aは何かに驚いたようにビクリと肩を鳴らした。
「Aちゃん、お疲れ様!」
カナエ……?いたのか。
そう、Aは今の今まで、隣の存在に気付いていなかったのだ。
ずっと声を掛けられていたが、鬼に夢中だったのだろう。
ちなみにAは花柱胡蝶カナエと同期である。
「怪我はしてない?」
Aがコクリと頷くと、カナエは安心したように微笑んだ。
だが、Aが言葉を発することはない。
過去が原因で声を出せないのだ。
「ならうちの屋敷にいらっしゃい!」
一瞬頷きそうになるが、簡単には流されなかった禓黒A。
怪我もしてなければ用事もないというのに、蝶屋敷の敷居を踏むわけにはいかない。
「一緒にお話しましょ〜!」
ほとんどカナエの独り言になるけど。いやそれはそれで行きたくないけど。
長い前髪にAの表情は隠れているが、内心はこんなもんで、大抵荒ぶってる。
声が出せない分、心の声が増えたせいだが。
「しのぶも待っているわ!」
貴方の妹には絶賛嫌われているので行きたくない。
首を横に振り、断固拒否を示すAだが__
「楽しみだわー!」
え゛っ
「さぁ、帰りましょう?」
首根っこを掴まれ、強引に引きずられていく。
あ、なんか既視感がある。
あ、胃が痛い。
これから起こるであろう悲劇を思うだけで、Aの胃の寿命は縮みましたとさ。ちゃんちゃん。
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息抜き(プロフ) - カカさん» コメントやお星様までありがとうございます、頑張りますね(*_ _) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 主人公の周りのキャラの優しさが滲み出ててすごいよきです、、、。見る度にお星様を押してしまいます。更新の方無理をなさらずに頑張ってください! (2020年1月14日 0時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - ばぐさん» コメントありがとうございます。私もコメントが来る度に飛んで喜んでます。頑張りますね<(_ _)> (2020年1月8日 18時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - とても面白くて通知が来る度 飛んで喜んでいます!これからも頑張ってください! (2020年1月8日 18時) (レス) id: c64457db9e (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 無気力人間Aさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります<(_ _)> (2020年1月7日 19時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:息抜き | 作成日時:2019年12月2日 1時