宵二十三 ページ23
デジャブを感じるとはこのことか。
会話が終わってから超高速で杏寿郎さんに引きずられている。痛い痛い。
「ときに禓黒殿!!」
「?」
「父とはどのような関係だったのですか!!」
「……」
簡素に書いて、見せる。
「うむ!なるほど!!おじいちゃんか!!」
……
…………
「おじいちゃん!!!?」
辺りの木が煉獄の声で揺れた。
ついでに至近距離にいたAの胃も揺れた。
「よもや!よもや!にしても今日は晴天だ!!」
ん?話が飛びすぎてな
「さつまいもが食べたい!!」
あ、動揺してるのか。
「わっしょいわっしょい!!」
こりゃ大変だ。
おじいちゃんがよほど衝撃だったらしい。
まあでも槇寿郎さんには大分気にかけてもらったからなぁ。任務はもちろん、非番の日も一緒に行動していた。こりゃおじいちゃんになるのも仕方ないよね。
だけど、私が柱になる前に槇寿郎さんは柱を引退した。詳細も知らされず、五年という月日が経った。
そして今に至り、炎の呼吸を見てようやくご子息なんだと察した。だから技を合わせられたってのもあるけど。
「やはり貴方は光柱なのでは!!!」
急に冷静になるのやめて欲しい。ひやひやする。
「違う!!むぅ、なるほど!!」
手でバツを描くと、落ち込んだのかむぅ、と声を漏らした。いや可愛いかよ。
槇寿郎さんの時もそうだったけど……あの炎のような髪もモフモフしてそうで、なんだかこう、触れたいというか、
……撫でたいなぁ。
「む?禓黒殿!!?何をして……」
ん、やっぱりモフモフしてるや。
槇寿郎さんからは『触りたかったら勝ってみろ』と言われたけど、結局勝てずじまいでモフモフ出来なかった。
「むぅ」
和むなぁ、んふふ。
大人しく撫でられている杏寿郎の足は、止まっていた。
それに気づいたのか自覚が無かったのか、ハッとして手を引っ込めたA。ごめんごめんと手を合わせて何度も頭を下げている。
すると失礼なやつだと思われたのか、無言で再び引きずられていく。
やっぱり怒ってる!?ああどうしよう!!ごめんな!?
「もう少し……」
そんな煉獄杏寿郎の呟きは、荒ぶるAには届かなかった。
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息抜き(プロフ) - カカさん» コメントやお星様までありがとうございます、頑張りますね(*_ _) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 主人公の周りのキャラの優しさが滲み出ててすごいよきです、、、。見る度にお星様を押してしまいます。更新の方無理をなさらずに頑張ってください! (2020年1月14日 0時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - ばぐさん» コメントありがとうございます。私もコメントが来る度に飛んで喜んでます。頑張りますね<(_ _)> (2020年1月8日 18時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - とても面白くて通知が来る度 飛んで喜んでいます!これからも頑張ってください! (2020年1月8日 18時) (レス) id: c64457db9e (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 無気力人間Aさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります<(_ _)> (2020年1月7日 19時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:息抜き | 作成日時:2019年12月2日 1時