闘女〜鬼滅の刃〜

弐 ページ3

『奥様方。そのお話、詳しく教えてください』


婦人１「え？それは構わないけど･･･」


婦人２「実はね、ここを真っ直ぐ行ったら"山田"っていう人の家があるんだけど･･･」


婦人１「年に一度の生け贄に、そこの娘さんが選ばれたのよ」


『生け贄を捧げるのは、今年で何回目ですか？』


婦人１「さぁ･･･百年は続いてると思うわ」


婦人２「あそこは四年前にも、娘さんが選ばれて･･･今年で二回目なの」


『そうですか･･･ありがとうございました』


婦人１「あ、待って！！」


『？何でしょうか？』


婦人２「生け贄を捧げるのは今日の夜。
　 あそこに見える向かいの山の頂上、生け贄の子が一人で行くわ」


婦人１「貴女、鬼狩りでしょう？
　 頑張ってね」


『･･････ありがとうございます』


ダッ


『(私が大きく動くと、鬼に気づかれる可能性がある
　 となれば･･･夜、生け贄の子が来たときに首を切る！)』


ザッザッ


『昼間でこの霧･･･夜になれば、足元も見えなくなりそう･･･』


刀畏「生ケ贄ノ子ガ来タヨ！」


ズッ･･･


鬼「来た来た、生け贄が。」


『(まずい･･･このままだと鉢合わせする！)』ザッ


鬼「見つけたぞ、生け贄の娘ェ！！」


明子「あ･･･いやあぁぁぁぁ！！」


ザシュッ


『(この霧で刀の位置がずれた･･･！)
　 大丈夫ですか？』


明子「は･･･はい。ありがとう」


鬼「何だテメェ！！
　 俺の腕を切るとは、何様のつもりだぁぁ！？」


『明子さん、上にいる鴉がわかりますか？』


明子「はい･･･わかります」


『あの鴉が、鬼のいない道を通り、貴女を町まで帰します。走れますか？』


明子「あの･･･貴女はどうするんですか･･･？」


『私は、この鬼を倒したらすぐに向かいます。
　けして振り返らずに、町まで走ってください。

　刀畏、任せたよ！』


刀畏「嬉シイ！オ役ニタツヨ！カァァ」


『走って！』


明子「は、はい！」


ザッ


『さて、仕事だね』


鬼「テメェ！！生け贄を返せ！
　 あいつを喰って、俺は･･･十二鬼月に戻るんだァ！！」


『ッ･･･その目、元上弦の陸か･･･』


鬼「そうさ！だが俺は、数字を剥奪された！
　 だからここで二百年間、人間を喰ってるんだ！」


『そうか･･･なら私は、君を倒さなくちゃならない』


鬼「ふざけるなぁ！！」

参→←壱

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す