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最終打ち合わせを終えたある日、社長に会議室に呼び出された
「あの…話って」
A 「突然だけど、これ、どういうこと？」
目の前に出された封筒には探偵事務所の文字
「え？」
A 「開けてみて？」
開くとそこには
"櫻井翔に関する調査結果"の文字
「ど、どうして？」
A 「試したわけじゃないの。ただ、ね…」
そう言って、俺の素行調査をした事を明かしてくれた
A 「あなた、セレッソの御曹司なんですってね。びっくりしたわ」
「それは…」
A 「こういうのには慣れてるから。何も言わないから、明日から仕事に来ないで」
「どういう、ことですか？」
A 「私たちを騙してたのよね？あなたが来た最初のコンペからそう、全部横流ししてたってことよね？」
そ、それは…
「誤解です。確かに俺はセレッソの次期社長候補のひとりです。今回の企業間留学はスパイを探すための潜入調査でした」
A 「スパイを探すための潜入調査？笑わせないでよ。あなたがスパイなんでしょ？」
そう言って悲しそうに笑った
「どっから話せばいいかな…親父に、この業界に情報を他所から他所に流すスパイがいる、と、まず手始めに、ここに入るよう言われたんです」
うーん、と難しい顔をするAさん
「信じてください！俺を！！」
そして…
A 「1人で管理するのはもう怖くて…」
というと…
A 「そんなに信じろ、って言うならデータの管理、櫻井に任せようかしら」
データ管理を俺にか…頼ってくれてるって思いたいけど…
「わかりました」
スパイ疑惑が晴れたわけでもない
でも、ここは素直に従って、汚名返上のチャンスに変えさせてもらう
俺だってこの仕事を成功させたい
その気持ちに嘘はないから
A 「あえて言っておくわ。先行印刷は無し。全体が同じタイミングで、ね？」
「わかりました。絶対に盗まれないようにします」
A 「ありがとう。データ室の私の棚の2番目に入ってるから。しっかり守ってよ」
全体会議は4日後ってことは最低でも前日に連絡が来るはずだ
彼女もそのタイミングで犯人を見つけるつもりだろう
社長1人にそんな危険なことはさせられない
俺が現場で犯人捕まえてやる
そう心に誓い社長を抱き寄せる
「俺、期待に応えられるよう頑張るから。絶対に成功させましょうね」
A 「…ありがとう」
「大丈夫、きっと大丈夫です」
俺は社長を抱きしめる腕にそっと力を込めた
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作者名：ぽよりん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2023年12月15日 0時
