明日は公休と致します【S.S】 (ページ30)

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？「ちょっと、いいかな？」

A 「ひ、日野さん…？」

終業間際の会議終了後、大手スポーツメーカーヒノの重役が現れた

ヒノのハゲジジイ、一体どういうつもりだよ…

辺りを見渡すと事の一部始終を知っているニノも驚いている

席を離れた2人は応接間に消えていった

2人は声を潜めて話している

何を話してる…？耳を澄ましていると…

日野「これは我が社の提案って事で宜しいですよね？」

A 「えっ！？あ、その…」

「…！」

和也「…！」

社長の声が突然大きくなり、俺とニノは思わず目が丸くなる

なるほど…わざと聞こえる音量で話してリアクションを見てやろうって魂胆か

社長からしたら俺ら5人全員、前回の協議会の犯人疑惑、あったしな…

告白の返事を貰って浮かれていたものの、冷静になればまだ犯人が見つかったわけじゃない

俺は犯人じゃない…つまり…

ハゲジジイ、必ずその尻尾掴んでやる

終業後、日野を尾行した

またしてもファミレスに座ったあいつは何もしない

これ以上注文しないってことは、誰かと待ち合わせか？

誰かが来る気配もないけど…

その時はいきなりやってきた

隣のテーブル、役員じゃね！？

あ、なんかファイル渡した？

動画に収めようと携帯を出すも役員は足早にその場を去った

時間差で重役も席を離れた

しかも同じテーブルじゃなくてテーブルを挟んで接触してくるなんて…

なんて感心してる場合じゃねえよ

これは事件だ

証拠を抑え損ねた俺は頭を抱えた

やっちまった

？「あれー、翔さんじゃないの。どうしたの、こんなところで」

あ？

「なんだ、ニノかよ。いや、それが」

和也「そういえばさ、さっき。あ、ハンバーグ定食、ご飯少なめでくださーい」

ちゃっかり俺と同じテーブルの、反対側の席に座り注文をした

店員「あの…お客様は？」

「シーフードドリア、豚汁付きで。で？さっき何だよ」

和也「前に銀行で見かけたジジイ、俺と入れ違いで出てったよ」

やっぱりそうだよな

和也「え、ウソ。マジ？アイツらやっぱり…」

「そ、そのまさかですよ。で、俺はその証拠抑え損ねたってわけ」

自分で言うの辛いわ

和也「そういう事もあるって。気にしなさんな。とりあえず飯食おうぜ。武士は食わねどって言うじゃん？」

「ちげえよ。それを言うなら腹が減っては戦ができぬだよ」

和也「そうとも言う〜」

「そうとしか言わねえよ」

ありがとう、ニノ

なんか、元気出たわ