明日は公休と致します【S.S】 (ページ25)

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監視を始めて数日、その日は突然訪れた

他のメーカーの監視をしてたニノから『帝都銀行でおっさん同士がイチャイチャしてる』と謎の連絡が入った

俺は自分の監視を切り上げ、帝都銀行へ向かった

現場に着くと、

『こっちこっち』と隅の席で手招かれた

「お疲れ。これ、好きだったよね？」

和也「わーナイスっ。俺、これ気になってたんだよねー。翔さんも1個いるっしょ？ほら」

俺の手のひらに乗った小さなメロンパン

あっま。砂糖のかたまりじゃん、これ

和也「スッゲー顔。これがいいのよ。このシャリシャリ、たまんねえわ」

「甘党なの意外だったわ。んで、どこよ、おっさんのイチャイチャって」

和也「ハンバーグとメロンパンで出来てんの、私。覚えといて？これ、貸1ね」

そう言って数メートル先にいるおっさん2人をちょいちょいと指差した

あ、アレは…

和也「翔さん、あの人たち知ってんの？」

知ってるも何もアレは…

「セレッソの役員のおっちゃんとヒノの重役だよ」

和也「マジっすか！ってか、やばっ。逃げるよアイツら！」

ニノは飴玉をひとつ口に入れると足早に跡を追った

和也「翔さんにもあげる。一緒に付いて来て？」

「おうっ。ってか、これいいの？ありがとう」

俺はもらった個包装の味も気にせず口に放り込んだ

あっま。また砂糖かよ。笑

2人が乗った社用車を2人でタクシーで追う

着いた先は某ファミリーレストラン

外がよく見えるソファ席で、セレッソの役員がヒノの重役に1枚の茶封筒を差し出した

和也「っ！！」

目の前に座るニノが息を呑んだのがわかった

和也「翔さん、あれ」

「ああ、あれはきっと…」

ヒノからの謝礼金ってことね

役員「他所とは違って、いい仕事っぷりですよ。助かります」

重役「いやいや、こちらこそお取引ありがとうございます」

役員「これからもよろしく頼みますよ」

重役「はい。善処します」

和也「気持ち悪っ。ハゲが2人揃ってスパイ行為かよ」

そう言いながらも重役が封筒を納める瞬間をカメラに収めていた

これでヒノの裏切り行為は立証出来る

でも、ヒノとセレッソが繋がっている、ってどういうことだ？

黒幕は…親父？

親父の潔白を証明するためにも真犯人は俺が見つけてやる…社長のためにも…