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彼を誘ってみたはいいがドキドキが止まらない
社長呼びを禁止させたり、先にお金を払って気を紛らわせようとするけど左を向けない
ーAさんは全然意識してくれないんですね
彼の哀しそうな顔と言葉が頭から離れない
意識しないわけがない
子犬と戯れる姿はいつもと違って少年のようで、かわいい、と思った
他の犬と遊んでいる時も
翔 「いやアイツかわいいなまじで…」
って他のお客さんのところにいるのを目で追うし
翔 「ちょっと後で調べてみよう…」
とひとりポツリと呟いてて
一方の彼の心はすっかりキャバリアでいっぱいだったみたい
翔 「今日はありがとうございました！自分を甘やかす、って大事っすね！」
って…
彼を見送った後、ひとり夜道を歩く
仕事で頼るわけにもいかず、女としても意識されず…
上司に恋だなんて、女から男ならまだしも男から女、それも平社員から社長なんて無理な話なのよね
彼の力を借りるとしたら、残りはこの間の事件の犯人探し
そう思って、あの日のことを少しだけ思い出すことにした
そういえばあの時…
"今回の票はどこにしますか？"
"アレは無しだな。あんな若社長に仕事取られたら俺らのメンツ丸潰れだ"
そう話す重役の声が聞こえていた
周りはそれこそ老舗の、昔からオリンピックだったり、海外の選手に顔が効く常連ばかり
若手の会社はウチと、もうひとつ
聞かないふりをしていたら許される、そう思って無視していたのが仇になったのだろうか
もしかして…
重役の1人が今回の犯人…？
でも、子会社であるウチにイタズラなんて、どうして
まさかとは思いつつ、私の頭の中で一つの疑念が頭をよぎった
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作者名：ぽよりん | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2023年12月15日 0時
