明日は公休と致します【S.S】 (ページ20)

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気持ちよく目覚めたのもあり、少し早めに出勤をした私

久しぶりに美味しいコーヒーでも飲もうかと給湯室に行くと、スーツをオシャレに着こなした彼の姿があった

…今日はまた随分早めの出勤なのね

就業時間にしてはまだ時間にゆとりがある

「おはよう」

翔「あ、おはようございます。もう出勤っすか？」

振り返った彼は珍しくメガネ姿

右手にはボールペン
左手には前回のプレゼンとは違う資料が握られている

「どうしたの。こんな朝早くから出勤だなんて」

翔「え？いつも俺、これくらいに出勤してますよ？」

「朝、強いのね。羨ましいわ」

翔「俺、夜型人間で…今朝活してシフトチェンジ中です。Aさんもどうですか？」
朝から行列ができると話題の、パン屋の袋を見せた

「あ！それ！」

翔「知ってます？」

「すぐ売り切れるって話題のとこじゃない？朝から並んだの？」

翔「並びました。もうね、行列でこんな目してましたよ、俺」

そう言ってメガネを外して目を細めた

おちゃらける彼に胸がドキンと跳ねる

きっと彼に恋してるんだろうな、私

異性と2人でパンを食べる

彼氏でも友達でもない、ましてや部下と食事なんてしたことない

ふと資料を覗き込むと、たくさんの書き込みとメモの跡

翔「ちょ、ちょっと！覗かないでくださいよー」
もう！と拗ねる顔すら愛おしく感じてしまう

形がどうであれ、みんなを責める形になっちゃったし、やっぱり責任感じさせちゃったかな

「切り替えが早いのね」

翔「この資料のことですか？」

「そう、それ。前回あんなことになっちゃったじゃない？特に相葉と櫻井には責任感じさせちゃったかな？って思ったんだけど…」

翔「落ち込んでる暇なんてないっすよ。それよりこの間のオッサン、今回はギャフンと言わせてやりましょ」

櫻井…

いつも笑顔で、前向きな彼に、気付けばそんな彼に惹かれていた

もう恋なんてしない、なんて思ってたのに

あの日、明日から仕事の鬼としてより一層精進いたします、なんて誓ったのに

翔「俺に出来ることがあればなんでも言ってください」

私を甘やかさないで

「ありがとう。でも、いつも通りやってくれたらそれでいいのよ？」

私はこの気持ちに蓋をするので精一杯

好きになってはダメ、好きになってはダメ

おまじないのように胸の中で何度も唱えた

翔「頑張ってる社長、俺が支えたいんで」

そう言ってくれる彼に私は狂わされる