明日は公休と致します【S.S】 (ページ16)

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俺が入社して2週間、コンペと呼ばれる競技会の日が近付いていた

「プレゼン資料に一通り配りました。目通してもらって、意見や不具合等ありましたらお願いしまーす」

社長に『期待してる』『頼もしい』そう言われれば俄然やる気になるのが俺

社長の言うように個性的なメンバーだったけど、俺のこだわりも受け入れてくれる彼らに、俺は居心地の良さを感じていた

「智くんのエンブレム案と、ニノのキャッチ案はまとめてあります。訂正があれば早めに、お願いします」

自分で言うのもアレだが、いきなり任せられたにしては俺なりに頑張れてるんじゃねえかな

そう息巻いていたものの…

プレゼン当日、思いがけないアクシデントが待ち受けていた

？「翔ちゃん、ごめん！！」

「はあ？！お前どういうことだよ！！」

目の前で手を合わせるのは雅紀
プレゼン当日に資料が手元にないらしい

俺たちとは離れ、他の会社の方々と挨拶をしていた社長の耳にも届いたようで、その目が丸くなる

A 「ちょ…ちょっと、失礼します…！少々お待ちください！」

社長のヒールの音が近づいてくる

『櫻井、大丈夫？』そう社長に言われ、我に返るが、何か行動を起こさないと現状は変わらない

こんな日に何やってくれてんだよ…
こんなミス、お前に限ってありえねえだろ…

ミス？いや、これが親父の言っていたスパイの仕業なのか？

スパイならプレゼンを妨害する可能性は十分ある

A 「相葉、どういうこと？しっかり準備するように言ってたよね？」

雅紀「そ、そうなんですけど…。先に閲覧してもらえるように最低部数、あの机に載せてて…」

隣にいるはずの、社長と雅紀の会話が遠くに聞こえる

せっかく任せてもらえたのにこれじゃ面目丸潰れだ…

その後のプレゼンは生きた心地がしなかった

順番が回ってきて『申し訳ありません』何度も頭を下げる社長に胸が痛む

誰がそんなことを？

重役「今後のオレンジとの契約は考えさせてもらうよ！A、お前は残って、残りの奴らは帰れ！」

ハゲたおっさんの大きな声が会議室に響き渡る

A 「申し訳ありませんでした」

「俺らも申し訳ありませんでした…」

社長に並んで頭を下げる

A 「あなたたちは戻ってなさい」

ただひたすら頭を下げ続ける社長を残し、後ろ髪を引かれる思いでその場を離れた

ニノが『プレゼンの資料ゴミ箱にあったけど上手くいかなかった？』と驚いていた

どういうことだよ