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キスをしてもキョトンとこちらを向いたままの彼女をそのままベッドに強く押し倒す。
それでも動揺する様子ひとつ見せないで、されるがままでいる彼女が少し不気味だった。
顔色を一切窺い知る事が出来ない様に部屋の灯りを全て消したのに、どうしても見透かされている様な気がしてならなくて
それが嫌で嫌で堪らなくて更に乱暴に彼女を扱った。
ガウンの下に付けられていた下着がどんなものだったのかも、彼女の身体がどんな形をしていたのかも、
どんな声をあげていたのかも、どんな表情を浮かべていたのかも…
記憶の片隅にだって残ってはいない。
“芸能人”の西島隆弘に抱かれている優越感に、どうせコイツも浸ってるんだろうと勝手な憶測をして
歯止めが効かないほどに自分で自分を苦しめて怒りを増殖させた。
そしてまだ何も準備の出来ていない彼女の秘部を何のためらいもなく力任せにこじ開け、
この苛立つ感情そのままに自分のモノを前触れもなく思いきり突き刺さした。
俺が彼女にとって何人目かなんて知らないけれど、こんな滅茶苦茶な抱かれ方をした事はきっと無いだろう…
どんな記憶でもいいから今日の日を忘れられなくしてしまいたい。
そんな自分勝手な気持ちを彼女に無理矢理に押し付けた。
…その瞬間に彼女の大きな声が突然響いて一気に我に返った。
A「痛っ!!!!」
悲鳴にも似た叫び声がした後、一目散にベッドの隅まで這う様に逃げた彼女を目で追った後に感じる下腹部の違和感に血の気が引いた。
彼女の欲望のそれとは明らかに違う生温い液体を感じ、全身が一気に硬直するのが分かった。
「はじめて…だったの…?」
震える声を抑えるのに必死だった。
暗闇に慣れた目が、わずかに開いたカーテンの隙間から入る光に照らされた真っ赤なシーツをまざまざと捉え始めていた。
ずっと逸らし続けていた目線を恐る恐る彼女に向けると、完全に怯えた顔をして小さく頷いた。
「チッ………」
とんでも無いことをした重圧と、自分の愚かさに思わず舌打ちをした。
怖くて仕方なくなって慌てて立ち上がり、脱ぎ散らかした服を拾い集めて彼女に背を向けたまま着替え始めると
A「あの…か、帰る…!」
背後から声がして、バタバタと彼女が洗面室へと走り出した。
俺は………
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nikiki(プロフ) - あっ、見えない原因が多分分かりました笑 ありがとうございます (2020年4月26日 15時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - nikikiさん» コメントのお返事遅くなり申し訳ありません泣 3なのですがフラグが立ってしまいまして18歳未満は観覧出来なくなってしまいました…折角読んで頂いているのに申し訳ない次第です!18歳以上で御座いましたらそのままご覧頂けるかと思います(o^^o) (2020年4月26日 2時) (レス) id: 97f9b005f0 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 失礼ですが、どこで3を読めるですか?続きすごく気になります!ありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 初めまして、ストーリー見つけてハマっちゃって一気1と2も読みました。2人の恋、大人になって生活環境変わっても変わらずで居るのに、互いに届けてなくてこっちまで胸ギュッて悲しくなりました。素敵なストーリーありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - てんさん» こんなノロノロ更新に飽きずに見て下さってありがとうございます!何だか手違いで書いたものが消えたりとトラブってました汗)恋って楽しいけど苦しいですよね。2人がどんな選択をするのかたのしみにしていて下さい(^人^) (2019年7月1日 0時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年4月7日 8時