恋愛写真2

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「俺、恋愛してる暇ないんだ。夢叶えたいから。だから好きな子なんて作る気無くてね。Aちゃんがなにを見てそう思ったのかは分からないけど、彼女達はそれをちゃんと解ってて側にいるんだよ。俺から何かすることはないよ？って変な話だな笑」





何必死になってんだ？笑






A「そっか！」






よく分からないと言いたげな顔をして黙り込む彼女に






「最後だから特別だよ？」






そう言って自分の話を少しすることにした。知ってほしいと思ったから話した、てのが正解なんだけど。






「ここに越してくる前に住んでたとこはここより田舎でねー…」






こんな話つまらないだろうと思ったのに目を輝かせて聞いてくれる事に驚いて、気が付けばあれこれとペラペラ話していた。







A「へー！田舎に西島くんかぁ笑 でも何処にいても西島くんはモテモテだっただろうねー。」







「俺どんなイメージよ笑」






A「チャラ男の代表みたいな感じ？笑」






「イヤだわ！笑」






ははははっと笑うと






A「嘘です笑 少女漫画の主人公が恋するモテモテの男の子みたいです。」






照れたようにこんなことを言って目を逸らした。





「ねぇ。」





逸らされた目をまたこちらに向かせて、俺を彼女の記憶に刻み込む。






「俺の夢…てか、これからの事。実は学校の誰にも話してないんだ。学校の中で知ってるのは先生だけ。で、今からAちゃんに話すから先生とAちゃんだけの秘密になる。」







本当は吉岡にも話した事を敢えて言わずにおいたのは、無意識のうちに彼女は特別だと印象付けたい気持ちからだろう。






「俺、歌手になるんだ。だから学校辞めて東京に行くの。売れる保証はないけど、絶対売れるつもりでいる。だから、俺のこと覚えてて？」






絶対でっかくなって彼女を驚かせてみたい。






その時隣で彼女の表情を見られないのは残念だけど…







A「西島くんならなれるよ、凄い歌手に！だって私、あんなに綺麗に歌を歌う人見たことがないもん。」






……もしかして、あの時の誰かは……






A「えっと……あの、ね…。」






気まずそうな顔をしてなかなか次の言葉を発せない彼女に代わり、答えを導き出す。






「…ねぇ、もしかして、チワワ飼ってる？」







「…はい、飼ってます…。」







彼女が一層近い存在に思えた瞬間だった。







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