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帰りのチャイムが鳴って、ぞろぞろと何人かで外へと向かう。
チラッと家政科の方に目をやると、必死にローファーを履く彼女が見えた。
「今日はよく見るなぁ。」
ボソッと独り言を漏らすと、すかさずカナが聞き耳をたてる。
カナ「なになに?何をよく見るの?!」
「なーんでもない笑」
カナに見つからぬ様にチラッとまた彼女に視線を移す。
ちょうど靴を履き終えた彼女はトレードマークのキャンバスバッグを大事そうに抱えて一気にこちらに走り出した。
いつも慌ててる彼女がなんだか可愛くて、これまた無意識に笑ってしまった。
カナ「ちょっとー聞いてたぁ?」
「あ、あー。うんうん!それで?笑」
適当に話を合わせてみんなの輪に入ると、カナがすかさず俺の腕に纏わりついた。
カナ「でさぁ〜笑 あのあと〜!」
大きな口を開けて笑いながら俺を見つめる彼女に俺も笑顔で応えた。
少し話が途切れた隙にさっき走っていった彼女を目で追うがすでに姿はなくて…
何だかちょっと残念に思いながら目線を戻した。
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『また明日ね〜』
バラバラと別れて最後に1人になり、下校ルートを歩いていると
『タカヒロー!』
後ろから聞き慣れた声が聞こえて振り返った。
「ミナミちゃん。久しぶりだねぇ〜。」
一個上のミナミが小走りで手を振ってこちらへ走って来た。
ミナミ「一緒に帰ろっ!」
家政科の3年のミナミはとても大人びていて、モデルの様な容姿は他校の男子からも噂される程だった。
1年の文化祭の時に突然声をかけられて以来、彼女とはよく遊ぶ間柄になっていた。
気が合うから、ではなくただタイミングが合うから。なだけなのだが…
ミナミ「ねぇ、いい加減私と付き合ってよ?笑」
そして彼女もまた、俺を好きだと言う女の子の1人だった。
「まーたその話?笑」
ミナミ「後悔はさせないよってば!」
強いムスクの香りが必死に俺を誘っている。
「何回言われても答えは同じだよ?笑」
ミナミ「今は誰とも付き合う気はないー!でしょ?笑 わかってるよっ!でも私、諦めないから。」
キリッとした二重の瞳で俺を挑発しながらスッとさりげなく俺の手を握った。
俺はそれを傷付けない様にそっと離すと彼女の腰に手を回した。
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nikiki(プロフ) - あっ、見えない原因が多分分かりました笑 ありがとうございます (2020年4月26日 15時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - nikikiさん» コメントのお返事遅くなり申し訳ありません泣 3なのですがフラグが立ってしまいまして18歳未満は観覧出来なくなってしまいました…折角読んで頂いているのに申し訳ない次第です!18歳以上で御座いましたらそのままご覧頂けるかと思います(o^^o) (2020年4月26日 2時) (レス) id: 97f9b005f0 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 失礼ですが、どこで3を読めるですか?続きすごく気になります!ありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 初めまして、ストーリー見つけてハマっちゃって一気1と2も読みました。2人の恋、大人になって生活環境変わっても変わらずで居るのに、互いに届けてなくてこっちまで胸ギュッて悲しくなりました。素敵なストーリーありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - てんさん» こんなノロノロ更新に飽きずに見て下さってありがとうございます!何だか手違いで書いたものが消えたりとトラブってました汗)恋って楽しいけど苦しいですよね。2人がどんな選択をするのかたのしみにしていて下さい(^人^) (2019年7月1日 0時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年4月7日 8時