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すると震えた声を振り絞り、松川が怒鳴った。
松川「あんたっ……なんて事してんのよっ!!」
この感じ…あぁ、松川は…
吉岡「ちょっと待てよ!なんで俺が責められなきゃなんないんだよ!Aも嫌じゃなかったはずだぞ?なぁ?」
客観的に見てる俺には3人の恋の矢印がまざまざと見えて来て、一方通行な恋が他人事ながらに切なかった。
でも、彼女のあの態度は前から嫌だったんだ。
自分を蔑ろにしてまで
誰かを傷つけない様にするのって
なんか違わない?
「もし、好きでもないのにまた適当にコトをやり過ごそうとしたんなら………キミはサイテーだねぇ。」
自分のこと棚に上げて、俺は何様なんだ。
でも、言わずにはいられないのは…
彼女は自分が犠牲になることで、他人が傷付く事を必死に庇ってるのが分かったから。
それは、何より自分が誰かから傷付けられるのが怖いからなのだろう。
それは優しさじゃなく、弱さで
そのグラグラと不安定で危なっかしい感じと
たまに見る真面目で凛とした姿のギャップに
俺は完全に引き込まれていた。
しかし…
「相手の答えも待たずにそういう事しちゃうヤツも大概サイテーだけどな?笑」
俺ってこんなお節介野郎だったっけ?
知らぬ間に彼女を守ろうとムキになってる自分に気が付いて、笑えた。
ここに居たら取り乱してしまいそうでとりあえずこの場を後にして
「保護者か、俺は笑」
独り言をこぼしながら本来の目的をすっかり忘れて、帰り道をダラダラ歩いていると
「西島!!」
後ろから走って来た吉岡に呼び止められた。
予想外の展開に驚いて面食らっていると
吉岡「ちょっと、いいか?」
と、隣に立つ吉岡に動揺して
「おう、どした?」
なんて上ずった情けない声を上げた。
吉岡「もう分かってると思うけど…俺、Aのこと好きなんだ。」
「お、う。てか、なんでいちいちそれを俺に言うんだよ笑 」
吉岡「確かに、なんでだろうな笑 …取られると思ったから、かな笑」
「何を根拠にそんな事思うんだよバカだな笑 俺とAちゃん、連絡先も知らない仲よ?」
吉岡「…アイツ、お前見た瞬間泣いたんだよ。あんな顔初めて見た。」
何言ってんのかサッパリわかんなかった。
「は?いいって、そうゆうの…」
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nikiki(プロフ) - あっ、見えない原因が多分分かりました笑 ありがとうございます (2020年4月26日 15時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - nikikiさん» コメントのお返事遅くなり申し訳ありません泣 3なのですがフラグが立ってしまいまして18歳未満は観覧出来なくなってしまいました…折角読んで頂いているのに申し訳ない次第です!18歳以上で御座いましたらそのままご覧頂けるかと思います(o^^o) (2020年4月26日 2時) (レス) id: 97f9b005f0 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 失礼ですが、どこで3を読めるですか?続きすごく気になります!ありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 初めまして、ストーリー見つけてハマっちゃって一気1と2も読みました。2人の恋、大人になって生活環境変わっても変わらずで居るのに、互いに届けてなくてこっちまで胸ギュッて悲しくなりました。素敵なストーリーありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - てんさん» こんなノロノロ更新に飽きずに見て下さってありがとうございます!何だか手違いで書いたものが消えたりとトラブってました汗)恋って楽しいけど苦しいですよね。2人がどんな選択をするのかたのしみにしていて下さい(^人^) (2019年7月1日 0時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年4月7日 8時